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アメリカ長期金利上昇でも金に投資していいのか 今後価格が急落するリスクは本当にないのか

東洋経済オンライン / 2024年4月28日 20時30分

さらに、“安全資産”としての金需要という点では、株価急落時の金上昇のシナリオもある。投資家のリスク回避の動きが加速する中、株式市場からの逃避先として、金に買いが集まる可能性がないわけではない。

だが 、こちらもつねに当てはまるわけではない。確かに株価調整が相対的に小幅で、資金が一時的に移動するだけなら、金にもしっかりと買いが集まってくることが多い。だが、調整が大幅かつ長期的なものとなり、市場の不安が極端に高まった場合はまったく別だ。

いわゆる「xxショック」と言われるようなパニック的な急落のときは、リスク回避の動きが加速、価格が変動するものはすべて「リスクのある資産」と見なされる。その結果、すべての資産が現金化されることがあっても何ら不思議ではない。こうした「キャッシュ・イズ・キング」(現金こそ王様)と呼ばれる状況に陥った際には、当然、金市場からも資金が流出することになる。

まさに2008年9月に起きたリーマンショックの際がそうだった。大手証券のリーマン・ブラザースが破綻した直後こそ、金市場には“安全資産”としての買いが大きく集まった。だがその後、株価の下落に歯止めがきかなくなってくると、それを追いかけるように売り圧力が強まり、金価格は破綻直前の水準を大きく割り込むまでに値を崩した(ただし、危機が落ち着くと、いち早く値を戻した)。

今後も、金価格は高止まりを続ける可能性が高そうだ。だが、市場の不安が極度に高まった際には、金市場さえも“安全資産”としては見なされなくなることは、しっかりと頭の片隅にとどめておいたほうがよい。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

松本 英毅:NY在住コモディティトレーダー

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