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新規事業に必要な「本業への貢献」ストーリー 顧客を引き付ける「フック」、収益を得る「回収エンジン」

東洋経済オンライン / 2024年4月29日 19時0分

Googleの例が分かりやすいでしょう。彼らは無料で提供する多くのサービスをフックとして、顧客を惹きつけ広告事業という回収エンジンにつなげています。ポイントはフックによって獲得した顧客を回収エンジンに誘導する仕掛けです。

の考え方を用いることで、新規事業をフックに、本業を回収エンジンとするストーリーを描きやすくなるでしょう。

最後に、本業への貢献ストーリーを描きやすい、新規事業開発の問題を回避しやすくするフレームワークをご紹介します。野村総合研究所(NRI)で活用している「NRI版ビジネスモデルキャンバス」です。これは、Strategyzerの「The Business Model Canvas」をベースに、NRIの支援事例を踏まえて拡張したものです。

このキャンバスを用いることで、具体的には「自社ビジョン・戦略との整合性」の項目で、「本業への貢献」を漏れなく検討することができます。また、「拡大シナリオ」と「事業リスク・撤退シナリオ」において、「見ざる:無理のある計画に目をつむる」の問題回避の策を考えておくことができます。

さらに、顧客への提供価値を真ん中に据えて常に意識することで「聞かざる:顧客の声を聞かずに当初プランに固執する」問題に対処します。最後に、重要な意思決定ごとにキャンバスを記録しておくことで「言わざる:リスクを経営層に言わずにリリース直前に揉める」の問題を回避します。

従来のビジネスモデルキャンバスも強力なツールですが、企業内での新規事業開発をしやすいように調整しています。そして、キャンバスを描くことを楽しみながら、事業開発へのチャレンジを前向きに続けていただければと思います。

八木 創:野村総合研究所(NRI)シニアコンサルタント

紺谷 亮太:野村総合研究所(NRI) 事業開発・推進グループマネージャー

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