1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

医師が指摘「悩みから解放されにくい人」3つの特徴 不安、イライラ…日々のストレスが認知症を生む

東洋経済オンライン / 2024年4月29日 13時0分

人が生きているときの脳活動には3つのパターンが存在し、①何かに集中しているときの脳波、②何かに気づいたときの脳波、③何も考えていないときの脳波があります。そして、3つ目の特別何かに注意が向いておらずぼんやりとして雑念にふけっているような脳の活動を「デフォルトモード・ネットワーク」(DMN)と呼びます。

反芻思考をするタイミングは、特定のものに意識を集中していないデフォルトモード・ネットワークの状態の脳に起こります。特に批判される言葉を聞かされた後に起こる脳のデフォルトモード・ネットワークの活性化が、反芻思考との関連が強いことが示されています。反芻思考から抜け出るにはデフォルトモード・ネットワークの脳にアプローチすることがヒントになりそうです。

悩みから解放されにくい人の3つ目の特徴は、「腸内環境がよくない」ことです。食生活の変化、ストレス、抗生物質などの影響を受けると、腸内細菌の生理機能が変化します。腸内細菌は腸内でさまざまな生理活性物質、神経伝達物質、脳に影響を与えるアミノ酸を産生していますが、直接または自律神経を介して脳にシグナルを送ることになります。

さらに腸内細菌の変化は、腸から細菌や毒素などが入り込まないようにするための「腸のバリア機能」、脳に安易に血液中の物質を入れないようにするための「脳のバリア機能」をともに壊してしまいます。その結果、腸からさまざまな炎症を引き起こす物質が血液内に流入することにより、免疫細胞が活性化して、炎症性物質が大量に体内に産生されます。

体内に生じた炎症性物質は脳のバリア機能も越えて脳内に流入するため、脳も炎症状態が引き起こされます。不安やうつなどの精神症状の原因は脳の慢性炎症と関連があることが示されていますが、この脳内炎症は腸の炎症からも誘導されます。

不安症の患者の腸内細菌を調査した研究では、腸内細菌の多様性が低く、特に腸の炎症を抑える作用のある短鎖脂肪酸を産生する菌種の割合が低下していることが示されています。同様にうつ病を発症している患者でも腸内細菌の多様性の低下、真菌のカンジダアルビカンスの増加を認めており、腸内細菌の乱れと精神症状の関係性は、多くの研究で確認されています。

善玉菌を増やすとストレスに強くなる

ストレスにさらされてもうまく適応する能力である「レジリエンス」と腸内細菌叢の関連が研究されています。うつ病や不安症の患者で関連が認められたように、腸内細菌叢の乱れがストレスフルな出来事に対する心理、感情、認知のコントロールに深く関わっていることを示す研究が増加しています。ストレスを受けると腸内細菌の組成に多大な影響を与えることが示されていますが、逆もまた信なりで腸内細菌の乱れを認めている方がストレスに弱いということもいえるのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください