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自己啓発本、何冊も買い込む人に教えたい"危うさ" 本を「師」ではなく「道具」としても使うのが重要

東洋経済オンライン / 2024年5月1日 7時20分

逆に、読んだだけで「経験した」つもりになってしまう人や、自己啓発本に書かれていることが「万人に効く薬」だと考えている人は、何冊買っても物足りなくて、買い続けてしまうのだと思います。

特に、一度でも「即効性」を感じてしまうと危ういです。例えるなら、読んですぐ「モチベーションが上がる」状態です。新しい知識に触れた瞬間は、誰でも未知の感覚を体験します。そういった意識の変化はエナジードリンクのようなものです。

自己啓発本に限らず、初めて見るジャンルの映画や、初めて食べる料理などでも同じことが起こります。どの場合でも大事なのは、「すべての人が自分と同じように感じるわけではない」と、妄信的にならないことです。甘党イチオシのスイーツを食べても特別においしいと感じない人もいるように、「必ず誰にでも同じ結果が出る方法」はないのです。

自己啓発本に書いてある方法というのは、誰かが地道に努力や試行錯誤をして、たどり着いた「方法の1つ」です。本との出合いで人生が変わった人は、その出合いの後で実際に行動して、努力や行動をした人です。本を1冊読んだだけで直後に人生観が変わって、今までとは別の自分になったり、努力もなしに能力が上がったりするなら、それは魔法です。そういった効果を現実に求めてしまうのは、神頼みに近く、危ういと思うのです。

自己啓発本というだけでついつい買ってしまう人は、少し立ち止まって、「瞬間」ではなく、その本が「継続」して自分に与えた影響を考えてみてください。それを読んで何を感じたか、その後で何をしたか、それがどんな「結果」につながったか。人生のバイブルとなるような本との出合いは、大切な人との出会いにも似て、すばらしいものです。

名前も覚えていないような知り合いが100人いるのと、本当に心を開ける親友が1人いるのと、どちらが人生にとって有意義でしょうか? 冷静に考えてみてください。

聞き上手な人の「本当のすごさ」

世の中には「とても聞き上手な人」と「自分のことばかりしゃべってしまう人」がいます。聞き上手な人に対して自分のことばかりしゃべってしまう人は、自己主張が激しいとか、自分が話題の中心にいたいとか、性格が原因とされることが多いのですが、私はそればかりではないと思うんです。

「聞き上手な人」と「自分のことばかりしゃべってしまう人」の違いとは、どこにあるのでしょうか。

「聞き上手」の人は、基本的に相手の言葉を尊重する人が多いです。多少ネガティブな相談をしても、やんわりと聞き流してくれたり、肯定的に受け入れてくれたり、聞くときも笑顔や真摯な姿勢であったりと、話しやすい雰囲気をつくるのがうまくて、相談する人は安心して心の内を話すことができます。

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