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アマゾン、セブンも実践「物流で利益生む」驚く手法 「物流=コストセンター」と考える人に伝えたい事

東洋経済オンライン / 2024年5月2日 18時30分

このように、1960年代にドラッカーの指摘したビジネスの未開拓領域である物流にこそ経営資源を活用するチャンスが眠っていて、企業戦略に欠かせないものであることが、証明されてきています。

「暗黒大陸」と呼ばれた物流は、今後、ますます企業成長の鍵として新たな可能性を秘めています。日本や世界の優良企業は、すでに物流を戦略的にとらえ、機能させています。

物流は「コストセンター」ではない

現在、日本や世界の優良企業は、物流を「プロフィットセンター」としてとらえています。「プロフィットセンター」とは、利益とコストを集計し、利益を生み出す部門をいいます。

それに対となるのが「コストセンター」であり、利益は生み出さず、コストが集計される部門です。つまり、優良企業は、物流をコストではなく、利益を追求する部門とみなし、競争優位を築いています。

このように話すと、当然だと考える人もいますが、物流をコストセンターとしてとらえている、あるいはプロフィットセンターに移行したいがどうすればよいかわからないと悩む人も多く、よく相談を受けます。

物流を取り巻く環境は急激に変化しています。コロナ禍によるEC物流の拡大、日本における人口減少、人手不足、自然災害、そして多様化する消費者ニーズによる物流サービスの高度化など、その要因は枚挙にいとまがありません。

物流の重要性は増し、企業の経営活動における物流の位置付けも従来の「コストセンター」だけでなく、同時に「プロフィットセンター」としての位置付けも確立しないといけない時代になりました。

では、プロフィットセンターのポジションを確立するためには、どうすればよいのでしょうか?

たとえば、アマゾンでは、当日配送サービスを提供しており、確実にエンドユーザーに届けるための物流構築を完成させ、他社との差別化をしています。ユーザーは欲しい商品がすぐに手に入るためアマゾンをリピート利用します。

これは1回の売上ではなく、LTV(顧客生涯価値ある顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標)やリピート率、顧客満足度を重視し企業の長期利益を考えたもので、まさにプロフィットセンターといえるでしょう。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

物流から組み立てるセブン-イレブンの出店攻勢

セブン-イレブンは、出店攻勢をかける前に、物流拠点や弁当工場などの供給施設を作ります。

通常であれば、コストのかかる施設は、出店が一定範囲で達成されたあとに開設しますが、その反対です。スムーズで欠品のない店作りを優先しているのです。

こうした展開は、物流部門だけでは実現できません。企業戦略に物流を取り入れ、他部署との連携など全体最適を考えるからこそ実現できることです。

物流を、単体の部署や機能の部分最適だけで考える時代は終わりを迎えています。他部門とも密につながり、さらには、ビジネスモデルを成り立たせることの重要性が高まっているのです。

品質や顧客満足度の向上、多品種少量の高速回転での製造・消費など、物流の役割が多岐にわたるいま、生産性向上を重視するコストセンターの強化に加えて、会社の競争力を高めるプロフィットセンター化も同時に達成しないといけません。

角井 亮一:イー・ロジット取締役会長兼チーフコンサルタント

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