「紅麹問題」"3つの基本、混同してる"人が多すぎだ "添加物のプロ"が明かす「問題の本質」は?
東洋経済オンライン / 2024年5月2日 13時0分
紅麹菌にも種類がいろいろあるのですが、食品に使われるのは「Monascus purpureus(モナスカス プレプレウス)」「Monascus anka(モナスカス アンカ)」という菌です。
紅麹菌は、中国では1000年以上前から使われてきたとされ、長い歴史の中で日本や東南アジアに伝えられました。きれいな赤い色がつき、見た目の華やかさもあって珍重されてきました。
日本では「紅酒」「紅甘酒」などに使われるほか、沖縄の伝統食品である「豆腐よう」も「紅麹」を使って作られる食品です。
麹については「平気で『減塩味噌』使う人が知らない超残念な真実」にも書いていますので、興味のある方はぜひご一読ください。
「公的な試験・安全審査」は経ていない
【2】紅麹コレステヘルプ(小林製薬)
文字通り、「紅麹」を使ったサプリメントです。
「Monascus pilosus(モナスカス ピロサス)」という「紅麹菌」を使い、米を使って培養(固体培養)し、それを高濃度にして錠剤にしたものです。
「紅麹サプリメント」そのものの歴史は、まだ数年にすぎません。
また「紅麹コレステヘルプ」は食品扱い(機能性表示食品)ですから、公的な試験・安全審査は経ていません。形は錠剤になっていても「食品」なのです。
もちろん小林製薬では独自の検査データを持っていたとは思いますが、それはまた別の話です。
ちなみに、サプリメントには、
★国の安全審査を要する「特定保健用食品(トクホ)」
★消費者庁の指定する栄養成分の機能だけを表示できる「栄養機能食品」
★届け出だけでいい「機能性表示食品」
があります。
「紅麹コレステヘルプ」は、届け出だけでいい「機能性表示食品」でした。この件については、次の記事で述べたいと思います。
「3つを混同している人」があまりに多い
【3】ベニコウジ色素
「ベニコウジ色素」は、食品に赤い色をつける食品添加物です。「モナスカス色素」とも表示されます。
「Monascus purpureus(モナスカス プレプレウス)」という「紅麹菌」を使い、「液体培養法」という方法を用いて培養し、色素のみを取り出します。液体培養法は不純物を管理しやすい方法です。
添加物としての歴史は十数年あります。
先に挙げた「カニカマボコ」のほか、「カマボコ」「練り製品」「お菓子」などに幅広く使われています。
「紅麹を使っているのだから、結局3つとも同じものではないか」と思われるかもしれませんが、この3つには「決定的な違い」があります。
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