進化型「GRヤリス」からGRカローラの今後を予測 8速化された新型の走りをサーキットでテスト
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 11時40分
また4WDモードセレクトの前後駆動力配分を見直したことで、ある領域から車体の向きがスパッと変わる従来型の過度な特性がマイルドになった。これも大きな違いだ。
操作系にも見直しが入った。ドライビングポジションを25mm低めてルームミラーの位置をフロントガラス上部へ移動。さらにセンタークラスターの上端を50mm下げた。これにより前方視界が大きく拡大し運転しやすくなった。
最後に新たに導入されたRZ“High performance”のDAT(533万円)に乗り換える。クロスレシオ化された8速のうち1~6速のトータルギヤ比は6速MTに近づけながら、7~8速を巡航ギヤに位置付けた。
変速の速度を早めることを目的に開発されただけあって、Dレンジ&ドライブモード「スポーツ」を選択すると、変速時間は0.3秒と謳い文句どおりとても素早い。ちなみに6速MTをプロドライバーが変速させると0.6秒以上かかるという(数値はいずれもトヨタ調べ)。
Dレンジ&ドライブモードで「スポーツ」を選択した場合には、ブレーキペダルを踏み込むだけでパドルシフターなどの操作をすることなく、必要なギヤ段までのシフトダウンをブリッピングを伴いながら行う機能がある。ドライバーのブレーキ踏力や踏み込み速度によってシフトダウンを判断するとのことで、たとえば、富士スピードウェイの1コーナーでは、適切なブレーキペダルの踏み込みにより6速から3速までのシフトダウンを自動で行えるようだ。
DATと6MTの違い
DATモデルは6速MTモデルよりも20kg重いが、20kgはすべてフロントの軸重にかかる。よって、今回のような雨天で滑りやすい路面では前輪に荷重がかかりやすく、走りやすい場面もあった。さらにDATモデルではMTモデルとの操舵フィール上の差異が最小限になるようにEPSを含めたステア特性を作り込んだというだけあり、乗り換えた直後でも違和感を抱かなかった。
さて、GRでは進化を“鍛える”と称して、発売後もその手を緩めない。では、GRヤリスの兄貴分にあたるGRカローラの進化はどうなるのか、筆者の独断で予想してみたい。
真っ先に手が入るであろう部分は「4WDモードセレクト」の前後駆動トルク配分値だろう。現行のGRカローラは専用ボタンを押下するとトラックモード(前50:後50)、右にまわすとリヤモード(30:70)、左がフロントモード(60:40)だ。
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