1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「紅麹問題」で再浮上、"サプリ"は本当に安全か? あなたの飲んでるサプリメント、本当に大丈夫?

東洋経済オンライン / 2024年5月3日 11時0分

ラットを用いた実験で「発がん性がある」として厚生労働省が注意喚起をしたためです。

ちなみに、回収となったサプリメントを出している会社は、誰もが知る大手食品メーカーの関連会社です。

サプリメントの世界に限らずですが、「大手だから安心」「大手から安全」というわけでは全然ないのです。

このシリーズの1回目の記事(「紅麹問題」は"3つの基本、混同してる"人が多すぎだ)で述べたとおり、「紅麹コレステヘルプ」は食品扱い(機能性表示食品)であり、安全審査は必要なく、国は安全審査を行っておりません。

この「機能性表示食品」という言葉もあまり認知されていないので、ここで簡単に説明しておきましょう。

押さえておきたい「機能性表示食品」「トクホ」の違い

一般的に市販されているサプリメントには、下記の3つがあります。

「①特定保健用食品(トクホ)」

「②栄養機能食品」

「③機能性表示食品」


このうち、「①特定保健用食品(トクホ)」は、「コレステロールの吸収を抑える」など、特定の健康増進効果が期待できることを表示できる食品のことです。

トクホとして販売するには、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受け、許可を得なければなりません。

「②栄養機能食品」は、ビタミンCやカルシウムなど、消費者庁が指定した特定の栄養成分の補給を目的とした製品です。個別の許可申請は必要ありません。

そして「③機能性表示食品」は、メーカーが消費者庁に安全性や機能性に関するデータを届け出れば表示ができるもの。

「脂肪の吸収を抑える」「高めの血圧を下げる」などの表示が可能です。届け出るだけでよく、国の審査はありません。「自主基準でいい」のです。

「機能性表示食品」は2015年に導入された制度で、当時の安倍晋三首相が「アベノミクス」の一環として規制緩和のために打ち出したものです。

トクホを取得するためにはかなりの時間と費用がかかるため、この「機能性表示食品」という制度は「メーカーにとって福音」ともいえるものでした。

その反面、「それで安全性が担保できるのか」という不安視する声は当時から出ていました。

まさに私自身も危惧していた一人です。

この制度が導入されて以降、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、「機能性表示食品」の市場は大きく伸びています。

2020年には「機能性表示食品」の市場が「トクホ」を抜き去り、拡大が続いています。

「機能性表示食品」というネーミングもまた絶妙です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください