「外国人だらけの観光地」がGWやけに報じられる訳 なぜオーバーツーリズムがこれだけ扱われるのか
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 8時0分
ただ、ほとんどの番組はオーバーツーリズムの現状を紹介するだけで、解決方法を掘り下げようとはしません。これは家でテレビを見ている人の多くは直接的な被害者ではなく、解決方法にはさほど関心がないからでしょう。
今年はキャスターが自虐しない理由
ちょっと面白いのは、情報番組のキャスターやコメンテーターが例年のような自虐的なコメントをあまり言わないこと。
例年ゴールデンウィークの混雑や渋滞などを伝えるとき、キャスターやコメンテーターたちはお決まりのように、「われわれは仕事ですが……」などと自虐して笑いを誘おうとしますが、今年はほとんどありません。それは「番組を見ている視聴者が、仕事でこそないものの、さほど遊んでいるわけではないから」ではないでしょうか。
オーバーツーリズムが特集されるその他の理由としては、前述した鎌倉や京都などのように「外国人観光客が集まるところは名所であり、視聴者の認知度が高く、映像としても映える」という制作上のメリットもあります。美しい景色と大勢の外国人というコントラストは映像として面白く、彼らが混雑の中でも日本を楽しむ姿を見て誇らしさを感じる視聴者もいるでしょう。
さらに、なぜ外国人観光客は日本のこの場所を選んだのか。そこでどんな思い出ができたのか。オーバーツーリズムになるほど外国人観光客が増えたことで、「家族やカップルの悲喜こもごもが見られるショートドキュメンタリーとして楽しんでもらおう」という意図もあるようです。
滞在費用の安い都市になった東京
イギリス・ホリデーマネーレポートの「滞在費用の安い観光地ランキング(対象は世界40の観光地)」で東京は4位という結果を紹介するメディアも多々ありました(1位がベトナム・ホイアン、2位が南アフリカ・ケープタウン、3位がケニア・モンサバ、5位がポルトガル・アルガルヴェ)。「東京がこの中に入るのか」とショックを受けた人もいるのではないでしょうか。
「ニュースキャスター」では、外国人観光客によるバスの貸し切り、ヘリコプターのチャーター、新幹線のグリーン席を占拠状態などの羽振りのよさを紹介。さらに、今年2月にオープンした豊洲の「千客万来」を訪れた日本人と外国人が使った金額の格差をピックアップしていました。寿司を思う存分食べたアメリカ人に対して、「(高いから)お腹いっぱいにならなくてコンビニの菓子パンを食べた」という日本人の声を取りあげていたのです。
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