「外国人だらけの観光地」がGWやけに報じられる訳 なぜオーバーツーリズムがこれだけ扱われるのか
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 8時0分
決して外国人観光客が悪いわけではないことはわかっているけど、どこか怒りにも似たやり切れないものを感じてしまう。国内に留まり、外国人の姿を見る機会が多い今年のゴールデンウィークは、情報番組がそんな思いを共有する場として提供されているのでしょう。
住民と観光客が共存できる環境整備も求められている
基本的にオーバーツーリズムの判断基準は、「観光客が地元住民の利益になるかならないか」。もし観光客が増えたことで不利益を被る地元住民が増えたら、個人対応では限界があり、自治体と連携して適切な対応を取っていきたいところ。大阪府では外国人観光客からの徴収金を検討しているように、地元住民と観光客が共存できる環境の整備が求められ始めています。
ただ、徴収の基準や金額設定、事務手続き、在日外国人の対応、「差別にあたる」という反対などのハードルがあり、地元に還元するまでの仕組み作りは簡単ではないでしょう。
ともあれ、地元住民の救済と観光資源の保護は急務になりつつあり、トイレや案内板といったインフラの整備など、課題は山積しているように見えます。できれば情報番組には視聴率獲得に向けた煽情的な切り口だけでなく、これらについても掘り下げてほしいところです。
木村 隆志:コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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