東大合格導く駿台講師語る"頭よくなる思考法" 地理の学習を通して日常の思考力を鍛える
東洋経済オンライン / 2024年5月4日 13時10分
西岡:そもそも、宇野先生は地理という科目をどのように定義していらっしゃるのでしょうか? 世間一般では、世界の地図を覚える、世界の地形を暗記する、といったイメージを持つ人もいると思うのですが。
東京のブルーベリー農家が多い理由
宇野:一言で言うと、「結果から逆算して考える」科目ですね。地球上で今見えているものは、結果でしかありません。この地域で、こういう産業が発達しているとか、人口はこれくらいだ、など。でも、そのすべてが「結果」であって、考えを巡らせれば「原因」がどこかにあるかがわかります。
例えば、拙著『「ドラゴン桜」式クイズで学ぶ東大思考』でも触れていますが、以前東大の入試問題で「ブルーベリー農家が47都道府県の中で、いちばん多いのは東京都だが、これはなぜか考えて答えなさい」という問題が出ました。
西岡:東京には、ブルーベリーのイメージはありませんが、意外な統計データですね。
宇野:ブルーベリー農家が「観光農園」を行っている場合が多い、ということまでたどり着けば、すぐに答えが出ます。ブルーベリー農家は、観光農園として、農園での収穫体験を実施しており、そこにはカップルや家族連れがたくさん訪れます。
観光農園は、お客さんを集めやすい地域で開業するのがいちばんです。人口の多い東京近辺だと、お客さんが集まりやすく、観光地として適している。
こうしたことは、東京近辺で街を散歩していて「なんでここに農園があるんだろう?」と考えたことがある人なら気付けることです。でも、多くの人は「結果」として見ているから、その「理由」まで深掘りしないんですよね。
西岡:結果だけで満足せず、原因を探る思考が重要である、ということですね。これについては『ドラゴン桜』の中でも、同じようなことを述べているシーンがあります。
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宇野:同じような例で、こんな問題があります。私が初回の授業で出題している「なぞなぞ」なのですが、「赤道が通っている国(ケニアやエクアドルなど)で作っている商品で、日本では必ず1年に4回、値段が上がるものがある。これはなんだと思いますか?」というものです。
西岡:この情報だけだと、少し難しいですね。何かヒントを貰えないですか?
宇野:1年に4回と言うのは、3月、5月、8月、9月の4回です。
西岡:規則性があるわけではないから、何かのイベントごとに値段が上がっているということですよね。
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