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ディズニー本気の「SHOGUN 将軍」意外な見どころ 真田広之が主演、「関ヶ原の戦い」前夜物語

東洋経済オンライン / 2024年5月4日 12時0分

かつて同じ原作をもとに1980年にもアメリカ4大ネットワークのNBCでドラマ化され、虎永役を三船敏郎が、鞠子役を島田陽子が演じましたが、今回の「SHOGUN 将軍」はこれをリメイクしたものではありません。ディズニープラスの「スター」ブランドのオリジナルドラマとして新しく作られ、キャラクターの作り込みは旬な海外ドラマそのものです。

映画「トップガン マーヴェリック」の原案を手掛けたジャスティン・マークスなどが製作総指揮を手掛け、ドラマ賞レースの常連プロダクションでディズニーグループのFXが製作しています。日本を舞台にした作品ということで、主演の真田をプロデューサーとして迎え入れてもいます。

ザ・家康物語というわけではないのが本作の面白さとも言えます。虎永と按針、そしてこの2人の運命のカギを握る鞠子が中心人物として展開されますが、脇を固めるキャラクターひとりひとりの腹黒さや嫉妬心、覚悟を決めた瞬間や本音をふと語る表情まで描き切っている点が光ります。上質なキャラクター合戦をより堪能できるでしょう。アメリカHBOの超ヒット作「メディア王 〜華麗なる一族〜」を彷彿とさせます。

注目キャラクターの1人目は大坂城の城主でもある五大老のひとりで、石田三成がモデルの石堂和成。海外でも名を上げる平岳大の演技力もあって、憎たらしくも政治力のある石堂に惹きこまれます。2人目は淀殿をモデルにした太閤の側室・落葉の方です。ドラマ「VIVANT」に「Eye Love You」と国内人気作に出ずっぱりの二階堂ふみが存在感ある演技で魅せます。悠々と句を詠むだけでなく、鋭い眼光で乱世の動きを読む姿がハマっています。

そして、3人目は浅野忠信が演じた虎永の家臣の樫木藪重です。流れの読み方は浅くも、小賢しく動き回り、根は悪くない人間味のある人物像の作り込みはさすがです。浅野の藪重の視点で物語を追っていくと、虎永が形勢逆転できた理由まで納得でき、最後の最後までより楽しめるはずです。視聴者目線のキャラクターとして浅野の役柄に重要な役割を持たせています。

主演の真田以外の日本人の役者のキャスティングは、日本側で行われたこともあって、⻄岡德⾺をはじめ馴染みのある役者から注目新人まで出演していることも受け入れやすくしています。

海外視点の解釈に寛容さが必要だ

一方、史実にはない間違い探しをする見方もあるでしょう。登場人物のモデルはあくまでもモデルであって、そこにとらわれずに見ることをオススメします。そもそも日本の乱世を海外からの視点で切り取っている物語なのです。アメリカをはじめ、海外の視聴者を意識して作られていますから、解釈の仕方に多少の寛容さが必要そうです。

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