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「東大受かった子」にかかる"教育投資の平均値" 香川から大阪まで塾に通い合格した学生も

東洋経済オンライン / 2024年5月4日 19時0分

一方で、香川県に住む彼にとって、教育サービスは「すぐそこにあるもの」ではありません。

大手予備校である駿台の校舎は四国にはなく、河合塾もマナビスという映像授業主体の予備校が県内に1つあるのみ。休みを使って特別講義を受けたいときは、高い交通費と、時には宿泊費を出して、大阪などの都会に行くしかありません。彼にとって、地元から高いレベルの教育サービスにアクセスすることは、大変困難を伴うものでした。

また、沖縄から東大に合格した別の学生に話を聞いたこともありました。彼は、塾に行かずに東大に合格した、大変優秀な学生です。しかし、塾に通わなかった理由は、「通いたかったけれども、近くにまともな塾がないから」でした。

通いたいと望んでも、難関校への合格実績が多数ある塾が近所にないパターンもある。四国ならともかく、沖縄から本州に渡って塾に通うのは、金銭面でも体力面でも、大きな困難を伴います。

地方から東京大学に合格する学生の少なさは、教育投資に対する意識の低さもあるかもしれませんが、塾の少なさなど、その投資先が限られていることも原因としてあるでしょう。

次に、教育投資について調べてみました。われわれが推計したデータによると、東大に受かった子どもたちに対する、教育投資の平均金額は約875万円でした。

詳しい計算式は『東大合格はいくらで買えるか?』の中で書いているので、そちらをご確認いただきたいのですが、この内訳は、「小学校約316万円、中学校約243万円、高校約316万円」となっています。

小学校と高校が同じ額になっていますが、これは中高一貫校に通っていたと語る人が多いからです。

『コスパで考える学歴攻略法』(藤沢数希著)では、2022年の東大入学者3000人のうち、半分を超える1500人以上が、36の名門高校から進学していることが指摘されています。全国5000校の高校のうち、36校が東大合格者の半分を輩出しているわけです。

このうち、中高一貫は32校。東大受験にとって、中学受験が大事なのかがわかると思います。今回のアンケートでも、約7割の東大生は小学生のときから塾に通っており、中学受験をしたと回答しています。

この金額に加えて、生活のためのお金(食費や生活費)、学校の入学金(私立の場合は年間100万円を超える場合もある)や、修学旅行のためのお金(最近は海外に行く学校も多く、50万を超える出費になる場合もある)、大学受験のための受験費用もかかります。

どれぐらいの年収で賄えるのか

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