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「誰とも繋がりたくない人」に伝えたい孤独の影響 孤独が蔓延すると社会はどう変わってしまうのか

東洋経済オンライン / 2024年5月4日 12時40分

人々はSNSに流れてきたものしか見ず、何が真実で何が現実なのかが、今のアメリカでは人によって違うものになっています。例えば、アメリカにはジョー・バイデンが合法的にアメリカの大統領ではない、と考えている人が何百万人もいます。

考えの違う人たちがお互いに話をするのが望ましいのに、状況は悪化するばかりです。社会的孤立はこうした状況に拍車をかけると考えられます。

孤独はあらゆるレベルでの対策が必要

――イギリスには孤独死担当相がいて、日本でもこの4月から孤独・孤立対策推進法が施行されました。孤独はもはや政府が手をつけないといけない問題なのでしょうか。

個人、家族、そして地域社会、あらゆるレベルで対処する必要があるものと言えます。私たちが1つ知っているのは、物理的な環境を変えると、人々が互いに交ざり合い、語り合い、友人を作る可能性を高められるということです。

例えば企業では、経営陣が、社員などが友人を作れるような環境を整え、文化を変える努力をしなければいけません。同じように、政府は都市や町に、人々が楽しく安全に集えるスペースを作る、といったことができるのではないでしょうか。

――アメリカの連邦政府や州政府、市政府は孤独対策をしているのですか。

アメリカには公衆衛生局長官という役職があり、現在はヴィヴェック・マーシーが務めていますが、在任中に国民の健康のため1つ重要テーマを選びます。マーシーは孤独と社会的孤立を選びました。そして、彼は昨年、非常に優れた報告書を発表しました。

題して『Our Epidemic of Loneliness and Isolation(孤独と孤立の蔓延)』。彼はまず孤独の問題に目を向け、次にその解決策を提案しています。

――こうして孤独について取り上げると、Xやネット上で大きな議論が巻き起こります。人といることが苦手だったり、1人でいるほうが落ち着くという人もいて、「孤独=悪」という考えを押し付けられることに抵抗があり、それも理解ができます。

生物学的には人はそれぞれ違った気質を持って生まれてきます。内向的な人もいれば、外向的な人もいる。内向的な人は人生に必要な人数が少ない。そして実際、多くの人が周りにいることは非常にストレスになるのです。

一方、外向的な人は多くの人を必要とします。彼らは人からエネルギーを得るのです。どちらかが健全ということはありません。ただ私たちが知っているのは、誰もが少なくとも1人か2人の信頼できる人を必要としているということです。どんなに内向的であっても、です。

内向的な人に悪いところは何1つない

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