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ゴミ屋敷「"開かずの間"を開けてみた」驚愕の顛末 結婚相手にも秘密だった自宅をついに片付けた

東洋経済オンライン / 2024年5月4日 13時0分

男性がゴミを捨てられなくなってしまった原因のひとつに、「部屋の広さ」があると二見氏は考えている。都心で総面積の広い部屋を借りようとすると月の家賃が20万円以上になるなんてザラだ。ただ、地方であればこの部屋のように2DKの広さでも月に数万円で借りられてしまう。

「一人暮らしならワンルームでいいんじゃないかと思っています。片付けが苦手な人が広い部屋に住むとえらいことになります。ゴミって“借金”と似ているんです。初めて借金した人はちゃんと返せるか不安に思うこともあるはずですが、慣れてくると400万円も500万円ももう変わらなくなってくる」(二見氏)

ゴミ屋敷もある一線を越えると、片付ける機会を失ってしまうのだ。

午前中の作業で玄関、洋室、和室は空になった。午後の作業は「開かずのふすま」を取り外すところから始まった。新聞紙が地層のようになっていて、大阪桐蔭高校の藤浪晋太郎が夏の甲子園で優勝投手になったとき(2012年)の記事が出てきた。一番下に埋まっていた新聞は2005年のものだ。男性が言うように、やはり20年近く前からゴミが溜まりだしたことがわかる。

大量の新聞紙以外にも、このゴミ屋敷には大きな特徴がひとつあった。それは、趣味のモノが多いこと。押し入れの上段には箱に入ったエアガンが数丁、玄関には的とネットが設置され、射撃場になっていた。ほかにもスノボーやキャンプ用品も充実している。

ゴミ屋敷の住人のほとんどは私生活に何らかの問題を抱えていることが多い。心のダメージによって「セルフネグレクト」のような状態に陥り、部屋が荒れていってしまう。

しかし、この男性にはそういった“陰”がないのだ。ゴミ屋敷になってしまった経緯についても、恋人に部屋の状況をひた隠しにしていたことについても、笑いながらあっけらかんと話していた。

「自分の身の回りのことに執着がない方でした。とっておくモノも最小限で、“もう全部いらないです”と言って作業中は外に出ていました。

支払いは分割だったんですが、期日通りに振り込んでくれましたし、最後は結局まとめて支払っていたのでお金に困っている様子もなかったです。部屋の状況に悩んでいる様子もなく、ただただ片付けるのが面倒くさかった。それだけなんだと思います」(二見氏)

必ずしも「ゴミ屋敷の住人=不幸」ではない

実際のところ、結婚という機会がなければこの男性も部屋を片付けようとはしなかっただろう。そして、変わらず趣味に忙しく楽しい人生を過ごしたかもしれない。ゴミ屋敷の住人としては、かなり珍しいタイプだそうだ。二見氏が続ける。

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