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孤独の大家が語る「人が80代になって後悔する事」 多くの人は「何が普通なのか」を気にしている

東洋経済オンライン / 2024年5月5日 12時20分

――しかし、SNSによって他人のことを気にかける人が増えています。

SNSは、私たちを互いに比較させるだけのものです。そしてもちろん、私たちが比較しているのは非現実的なイメージです。

これは今に始まったことではありません。テレビや雑誌を見れば、こんな生活であるべきというイメージが出てきますが、誰もそんな生活はしていません。

そして、インターネットやSNSはさらにこうしたイメージを助長しています。これは特に若者に大きな影響を与えています。SNSで見る理想的な生活を見て、それが現実ではないと捉えられないのです。

孤独問題は1950年代から悪化する一方

――孤独や社会的孤立の問題は、ハーバード大学が調査を始めた当初より悪化していると思いますか?

実のところ、何十年もの間、悪化の一途をたどっています。

アメリカでは1950年代から記録が始まっています。政治学者のロバート・パットナムは『ボウリング・アローン』という本を書きましたが、この本では1950年代からアメリカ社会において人々が他人への投資を減らしている、すなわち、人と過ごす時間が減っている様子を描いています。

これはアメリカの各家庭にテレビが設けられたことと関係していると考えています。人々は外出しなくなり、頻繁に人を家に招くこともしなくなりました。礼拝にも行かなくなり、クラブやその他の地域団体にも参加しなくなった。こうした状況は1950年代以降、どんどん悪化しています。

こうした傾向をさらに加速させたものの1つが、デジタル革命であり、SNSだと私たちは考えています。

――孤独や社会的孤立の深刻さと経済発展との間に関連性はあると思いますか?

どうでしょう。あなたは、どう思う?

――技術的な発展と経済的な発展はほぼ連動しているので、そう考えるのが自然だと思います。

経済発展をしているということは、格差も大きくなっているということです。日本はどうかはわかりませんが、アメリカではそうです。格差がどんどん広がる中で、人々は食料や家賃を賄うために苦慮するようになっています。

多くの人が仕事を2つも3つも仕事を掛け持ちしているので、家族と一緒に夕食を取ったり、週末にくつろいだり、人と会ったりする時間が減っています。経済的な不公平は社会的孤立を悪化させると思います。

被験者たちが80代になって最も後悔していたのは

――では、孤独や社会的孤立は、発展途上国よりも先進国の方が深刻な問題だと言えますか?

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