「ツテなしコネなし海外起業」37歳女性の大胆人生 「まず動く」ワクワクする"世界の歩き方"は?
東洋経済オンライン / 2024年5月6日 8時1分
「自分がしたいこととできることの落差も痛感して、自分の中でやり切ったなと思えたとき、思い切って海外に移住しようと思いました。モノより経験に費やしたいと思って子どもにも『日本の他にもたくさんの国がある』と知ってほしかったので、『英語と中国語を学ばせたい』と思って。それならアジア圏がいいよねということで、最初はマレーシアに行きました」
建設業に携わっているからこそ感じた、震災復興における光と影。
そんな現実を目の当たりにした奥田さんは、思い切って地元を、さらには日本を離れる決意をする。
そして、マレーシアを皮切りに東南アジアを巡る起業準備の旅が始まる。
「海外で起業しよう」。そう決めたはいいものの、何か伝手があるわけではなく、見込みがあるわけでもなかった。まったくのゼロからのスタート。
「子どもの学校はどうなるかな」「銀行口座は作れるのかな」「ビザはどうなるかな」。心配はあれど、まずは現地に行くことから始めた。
とりあえず現地に行ってみて情報収集
「まずは現地のコンドミニアムに滞在しながら、街並みを見て情報を集めることにしました。現地のレンタカー会社で車を借りるときに『会社を作りたいんだけどサポートしてくれる人がいないかな?』と聞くことから始めましたね。レンタカー会社は手続きのときに『観光なの? ビジネス? 国際免許ある?』とか必ず会話になるので、そこからいろいろ話を聞いていました」
学生時代から旅慣れているからこその情報収集の術だろう。そして、この工程こそが本当に「楽しい」と奥田さんは語る。
「もちろんインターネットで調べたりもしますが、一番は現地の人たちに聞いていき、話す。もちろん英語が通じないこともありますが、そこはもう『1個1個クリアしていく』というその感覚がすごく楽しいんですよね。『旅行』じゃなくて『暮らす』ことを意識して。誰かに任せてとかではなく、自分で知っていくことがいいんです。渡航前に抱いているその国のイメージは、それまでに自分が得た端的な情報しかもとになっていませんから」
そうして、訪れたのはマレーシア、インドネシア、ベトナムなど東南アジアの国々。
そこで話を聞いては「何が商売になるのか」「子どものための学校はあるのか」「外国人が現地で法人設立はできるのか」などを調査していった。
東南アジアを巡り、「カンボジア」で見つけたチャンス
そこからは日本と海外を往復する日々が続いた。
まだ子どもも小さかったため、海外定住はせずに、行ったり来たり。そんな中で、カンボジアがさまざまな障害をクリアでき、会社を作れるという目星がついたのが2年目のことだった。
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