1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

金利上昇でもマンションの資産価値向上「4要素」 立地や仕様でもない「一番の鍵」を握るのは?

東洋経済オンライン / 2024年5月6日 12時30分

管理状況を把握するため、次のような点を確認しておきたい。基本的には、居住性を高める取り組みがなされているかどうかが判断基準となる。

 今後の維持修繕の計画が適正に組まれているか
 管理規約などのルールが実態に沿っているか
 要素2でふれた余剰な共用施設の有無、適切なコンバージョン(現状に沿った施設への転換)が行われているか

適切に管理されているマンションは、居住性の高さにもつながる。現住人にとって居住性の高いマンションは、購入側から見ても魅力的であり、資産性にも影響してくることになる。

要素4.価格妥当性

最後の要素である価格の妥当性は、マンション全体の話とは少しかけ離れ、「売りたい」場合の価格設定の話になる。

たとえば、同一グレードの、ほかのマンションの住戸が安く売り出されている時期は売り時ではない。

「売り時を見極める」ためにも、ミクロな視点で売買価格を把握し、近隣エリアを含めた動向をこまめにウォッチし続けることが大切だ。

また、先にも述べたとおり、マンションの価格を決める際には、取引事例比較法を利用する。

そのため前述の3要素に対する取り組みについては、マンション内でしっかりと情報共有し、各組合員が売り出し時のアピール要素にして売却時の価格設定を上げることで全体の資産性向上につなげていくことも重要だ。

住民が「広報」として魅力を伝える活動を

マンションの資産性を向上させるためには、上記4要素に磨きをかけることが大前提となる。

けれども購入を検討している時に、これら4要素がどうなっているのかを知る術はそう多くはないのが実情だ。管理組合としてしっかり活動していたとしても、明確な形で資産性に反映されるわけでもない。

そこで住人自らがマンションの「広報」となり、4要素をポイントとしたマンションの取り組みやスタンスを伝えることをおすすめしたい。

実際、2022年には、マンションの管理状況を認定・評価する「マンション管理適正評価制度」や「管理計画認定制度」の2つの制度が始まっている。

一定の基準を満たしたマンションの資産性向上を図る目的でスタートした2つの制度は、マンションの管理状況を「見える化」する仕組みとなっている。

ただ、この2つの制度だけでは4要素について反映されているとは言いがたい。マンション独自の取り組みをよりわかりやすくアピールするためには、自ら「広報」する工夫が必要だ。

最もシンプルな方法が「管理に係る重要事項調査報告書」に、自らの取り組みを入れる項目を設けるやり方だ。マンション売買の際に発行されるもので、管理会社に記載を依頼すれば、アピール項目として記載できる場合もある。

管理組合によっては、独自で発行しているマンションもあるほどだ。ほかにも、マンション独自のホームページを作成し、運用していく方法もある。

自分たちで資産価値をアップさせる意識を

今後、自分たちのマンションの資産価値をアップするためには、4要素を加味した魅力を磨くこと。さらにマンション管理組合運営には、魅力を対外的に訴える「広報力」が求められていくだろう。

まずは、取り組めるところからスタートし、マンション全体を広報するスキルを高めていってほしい。

長嶋 修:不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください