1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

新型「CBR650R」ホンダE-クラッチが革新的な訳 クラッチ操作不要、世界初のMT機構のメリット

東洋経済オンライン / 2024年5月6日 12時0分

その点において、あくまでMT車となるホンダE-クラッチ搭載車とは大きく異なる。そのため、運転できる免許もDCTを搭載したCRF1000Lアフリカツインなどは、AT限定大型二輪免許でも可能。一方、CBR650RやCB650RのホンダE-クラッチ仕様車は、MT車の運転も可能な大型二輪免許の取得が必要となる。

ホンダE-クラッチはどんなシーンで役立つか

最後は、ホンダE-クラッチはどんなシーンで役立つのか、筆者なりに検証してみたい。まずは発進時。通常、MT車では、右手でアクセルを開けながら、左手でクラッチレバーを徐々に放し、半クラッチ状態にしながらバイクを走らせる。とくに登り坂で停止した後の坂道発進では、ちょっとコツが必要だ。発進前に車両が後退しないようリアブレーキなどをかけ、アクセルと半クラッチを駆使しながら、リアブレーキも少しずつ解除するといった操作を行う。その際に、例えば、半クラッチが上手くできないと、急にエンジンがストップする「エンスト」を起こすこともある。免許取得時に自動車教習所などで習う操作ではあるが、苦手な初心者も多いだろう。

一方、ホンダE-クラッチでは、通常の発進であれば、右手のアクセル操作だけで発進が可能。坂道発進の場合も、リアブレーキの操作が加わるだけで、クラッチ操作をしなくてもよい。つまり、半クラッチの操作さえも、バイクが自動で行うのだ。また、例えば、ストップ&ゴーが続く渋滞路の極低速走行時、細い路地などでのUターン時などでも、通常のMT車であれば、半クラッチを使うシーンは多い。そういった場合も、ホンダE-クラッチ仕様車であれば、半クラッチなどの操作は不要。アクセルやブレーキの操作に集中できることで、疲労度を軽減でき、確実な加減速を行える。

とくに初心者ライダーの場合は、そんなシーンで半クラッチなどの操作が不十分で、やはりエンストするケースや、最悪は転倒(いわゆる立ちゴケ)するケースもある。ホンダE-クラッチであれば、そんな心配も不要だから、より安心・安全な走行を味わうことができるだろう。

一方、高速走行時やワインディング。こうしたシーンでは、クイックシフターとしての役割も担ってくれるといえる。クイックシフターとは、シフトチェンジ時に、クラッチを切ったり、アクセルを戻したりしなくても、ペダルだけで変速操作ができるシステムだ。もともとは、レーシングマシンに装備されていたもので、タイム短縮などを目的に素早いシフトチェンジを行うために開発された機能だ。一方、最近は市販車の多くにも採用されており、スポーツ走行時はもちろん、例えば、長距離ツーリングなどでも、クラッチ操作を不要とすることで、疲労軽減などに貢献する。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください