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ラピダスの前途が手放しには「楽観」できない事情 日本の半導体産業に巡ってきたラストチャンス

東洋経済オンライン / 2024年5月7日 11時0分

ラピダスはIBMと技術提携し、2ナノ以降のGAA(ゲートオールアラウンド)型トランジスタ技術のライセンス供与や技術者をIBMで教育することなども計画されています。またラピダスはベルギーにある国際研究機関IMECとも連携すると発表されています。

日本の半導体産業に巡ってきた"最後のチャンス"

ここで世界における最先端テクノロジーノードの状況を見てみると、サムスンは2022年に3ナノのFINFET(立体構造の工程技術)の量産を開始しており、TSMCに至っては2024年には2ナノのGAA(ナノシートトランジスタ)のパイロット生産を開始し、2025年には台湾の高尾や台中の工場で量産する予定です。

これらの状況を勘案して、ラピダスの今後を考えると、さまざまな問題点や課題が浮き上がってきて、その前途は必ずしも楽観できるものではないと思われます。

以上述べたような、日本の半導体産業の復活に向けた動きは、「遅きに失した」という感も無きにしもあらずです。

しかし、これが産官学をあげて失われた35年の自省と決断から生まれたものか、アメリカの新たな半導体戦略に突き動かされた、あるいは半ば強要されたものかは問わないとして、「日本の半導体戦略が世界の構図に無視できない影響を及ばしつつある」という、ある国のコメントを待つまでもなく、「日本の半導体産業に巡ってきた最後のチャンス」と心しなければならないでしょう。

菊地 正典:半導体エネルギー研究所顧問

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