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エンジン?電気?「フォルクスワーゲン」の本音 単独インタビューで見たシェーファーCEOの愛

東洋経済オンライン / 2024年5月7日 12時0分

シェーファーCEOについて、もうひとつ、社員がおもしろがっていることがある。「Love Brand」とフォルクスワーゲンを再定義しよう、という発言だ。「クルマを作って売る立場としてヤル気をかきたてられる」と、社員は話しているそうだ。

「ゴルフの今後」はどうなるか?

少し話がそれるけれど、いま日本で興味深い動きがある。20代に「ゴルフ2」(1983−1992年)の中古が人気なのだ。理由を尋ねると「シンプルなスタイルとしっかりした作りが他にはないから」だとか。それに「なんだか愛着が感じられる」とも聞いた。

実は、まさにシェーファーCEOが頭の中に描いているのが、上記のようなブランドと消費者との“関係の再構築”のようだ。これは、フォルクスワーゲンの広報担当から聞いたから、事実なのだろう。

そんなことを背景に臨んだ、今回のオンラインインタビュー。私がシェーファーCEOに聞きたかったことのひとつは、前述した「ゴルフの今後」について。

フォルクスワーゲンでは、2024年に現在のゴルフ8の改良版、通称「ゴルフ8.5」を発表する予定だ。そしてその先にまったく新しい「ゴルフ9」がある。いっぽう、それと並行するように、ピュアEVの「ID.」シリーズのラインナップ拡充に力を入れている事実がある。

果たして今後、フォルクスワーゲンのラインナップの中心はゴルフでなくてSUVになるのだろうか。それとも、ピュアEVにとって代わられるのだろうか。

「将来ゴルフは、新しいプラットフォーム(SSP=スケーラブルシステムプラットフォーム)を採用してピュアEVになります。その路線は変わりません。計画では2020年代後半の導入です」

コンピューターの画面に登場したシェーファーCEOは、通称「ゴルフ9」と言われる未来のゴルフについて、そう語る。そして「たしかに……」と言葉を続ける。

「現在の販売状況をみると、アメリカや中国といった大きな市場では、ティグアンの販売台数がゴルフを抜いているのは事実です。でも、今後もゴルフはフォルクスワーゲンのラインナップの中核であり続けると思います。はっきりしたことは、現時点では言えませんが」

ゴルフは中核モデルのまま、ただしBEVに。つまり、フォルクスワーゲンのBEVシフトは着実に進むということだろう。

「GTI」や「R」の次世代は?

「このところピュアEVの販売は、やや停滞しています。ウクライナでの戦争の影響があって電気代が高騰すると同時に、金利も上がって、逆風が吹いていたためです。しかし、金利は下がってきており、状況は持ち直していると思います。私たちは、カーボンニュートラルを目指す企業であり、そのためには製品の電動化がもっとも効率的でしょう」

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