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エンジン?電気?「フォルクスワーゲン」の本音 単独インタビューで見たシェーファーCEOの愛

東洋経済オンライン / 2024年5月7日 12時0分

さらにシェーファーCEOは、「だから、CO2排出量の少ないモデルを開発する手を休めるつもりはありません。2024年中に発表するゴルフ8.5のプラグインハイブリッド(PHEV)は、モーターだけで最大100km走ります」

ゴルフのポジションは、決してゆるがせにしないつもりだとする。つまり、ゴルフはフォルクスワーゲンにとって、これからも重要なモデルであり続けるということだ。

「ゴルフには、ゴルフGTIやゴルフRといった素晴らしいヘリテージがあります。ただし、これから同じクルマを作っても意味はなく、私たちは新しいGTIや新しいRを生み出さなくてはなりません。これらのクルマを愛してきてくれた人たちに対して、私たちから将来、愛をクルマの形で返したい。それこそが、私の考えるLove Brandのあり方なのです」

【写真】次世代ホットハッチ「ID.GTI」コンセプトのデザインを見る

ゴルフ9について具体的なことは語られないけれど、たとえば、間もなく登場するゴルフ8.5でPHEVのEV走行距離を拡充するなどの性能向上は、「ゴルフでなくては」と考えるユーザーのため、ということだろう(日本へのPHEV導入は未定だが)。

さらにもうひとつ、期待の新車がある。2025年に発表が予定されているコンパクトなハッチバック「ID.2 all(アイディーツーオール)」だ。

コンセプトモデルを見ると、現行「ポロ」の後継車と言われてもなんの違和感も抱かない魅力的なルックスであり、同時に「ID.GTI」なるホット版の計画もすでに発表されている。

「私たちは、それがピュアEVであろうとICE(エンジン車)であろうとハイブリッドだろと、ユーザーに『欲しい』と思ってもらえるモデルを提供していくつもりです。これからも、顧客のニーズにフォーカスしたモデルを出していくと約束します」

「それが、顧客の求めているものだから」

「ID.GTI」コンセプトが発表されたのは、2023年にミュンヘンで開催された「IAAモビリティ」だった。そのとき、シェーファーCEOは次のようにコメントしていた。

「経営資源、この場合はパワートレインのことですが、それをバランスよく配分していくことが大事だと考えています。1年前、『フォルクスワーゲンはICEに投資しすぎだ』と批判されました。しかし、どうでしょう。今はそれが正解だったと思います。将来はBEVであることを疑っていませんが、しばらくは、フレキシブルにパワートレインのラインナップを構成していきます。それが、顧客の求めているものだからです」

そこでシェーファーCEOはもう一度、「それがLove Brandの務めなのです」とした。今回のオンラインインタビューを通じても、フォルクスワーゲンのCEOとして心からそう思っている様子が伝わった。ひとりのクルマ好きとして、私はこの路線、大いに支持したいと思う。

【写真】「ID.GTI」コンセプトのデザインを詳しく見る

小川 フミオ:モータージャーナリスト

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