セキュリティー専業GSX、年25%成長を支える戦略 出資・提携やファンド創設の狙いを社長が語る
東洋経済オンライン / 2024年5月8日 8時0分
大手企業以外も、予算をかけてガイドラインに準拠しなければならない、という状況になっている。
当社の場合、コンサルでは一部をテンプレート化するなど共通化している。脆弱性診断では診断ツールとエンジニアによる手動の分析を組み合わせたハイブリッド型で行うなどしている。それらによって、どちらも人員や納期を抑えている。
大企業では当社のサービスに満足できないだろうが、準大手から中堅、中小には十分な内容となっている。価格も大手に対して、半分ぐらいの水準で提供している。
サイバーセキュリティー教育も強みだ。コロナ禍でさまざまな企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に舵を切る中で、IT企業にとっても、開発しているインフラやアプリに、セキュリティー対策を盛り込むことが必須となった。そこで、こうしたIT企業のエンジニア向けにセキュリティートレーニングを行う、教育事業を展開している。
ミックスモデルで粗利を上げる
――業績が伸び悩むサイバーセキュリティー企業が少なくない中、GSXの売上高成長率は突出しています。
コンサルや脆弱性診断などは、どんなに頑張っても粗利率が30~40%にしかならない。しかし、教育事業に関しては当社がコンテンツを作って提供しているので、50~60%に達することもある。
そのため、たとえば緊急対応サービスを入り口に、コンサルでアップセルするとか、複数サービスでクロスセルするなど、顧客単価を引き上げることが可能だ。
当社は、セキュリティー製品の導入支援や運用のセキュリティーソリューション、セキュリティー人材を派遣するSES(システムエンジニアリングサービス)などを行うITソリューションといった、いずれもセキュリティーに関連した事業を手がけている。
そこに採算のよい教育が加わると、粗利率がぐんと跳ね上がる。そういうミックスモデルを展開している。
――GSXは、セキュリティー製品を販売している網屋(4258)に4%出資し、同じくセキュリティーサービスを提供するブロードバンドセキュリティ(4398)に22%出資するなど、提携戦略を活発化しています。
提携は、販路拡大、事業領域の拡大、リソースの拡大、サービスラインナップの拡充という4つの領域で考えている。サービスラインナップを拡充し、(顧客単価を引き上げる)アップセルができる商材を狙ったのが網屋への出資だ。
網屋の主力製品で、ログを管理する「ALog(エーログ)」は非常に優れた商品だ。市場には海外企業が提供するスプランクやエクサビームなどログを管理する製品があるが、いずれも大企業向けの価格設定となっている。エーログは当社が得意とする顧客層にちょうどよい価格帯のため、伸びが期待できる。
【5月9日11時31分追記】初出時の「ALog(エーログ)コンバーター」という表記を「ALog(エーログ)」と修正します
この記事に関連するニュース
-
網屋とキヤノンマーケティングジャパンが代理店契約締結
PR TIMES / 2024年7月1日 19時45分
-
丸紅I-DIGIO×GSX、セキュリティサービス提供の強化に向けて資本業務提携
マイナビニュース / 2024年6月28日 15時4分
-
グローバルセキュリティエキスパートとのセキュリティサービスビジネス拡大に向けた連携(6/27付)
PR TIMES / 2024年6月28日 11時45分
-
丸紅グループIT分野の中核企業である丸紅I-DIGIOホールディングスと資本業務提携 丸紅グループの顧客層への販路を拡大。
PR TIMES / 2024年6月27日 18時15分
-
GSXが提供するEC-Council「認定ペネトレーションテスティングプロフェッショナル(CPENT)」をArmor Tech Labが提供開始
PR TIMES / 2024年6月25日 16時15分
ランキング
-
1ソニーが録画用ブルーレイディスク生産終了へ、光ディスクの記録メディアから完全撤退「市場が縮小」
読売新聞 / 2024年7月5日 18時12分
-
2日本に豊田章男氏がいたのは幸運だった…「EV化の真実」を主張し続けた豊田氏が筆者に明かした「真意」
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 8時15分
-
3妻に先立たれた65歳、年金約17万円・おひとり様シニアを襲う<老後破産へのカウントダウン>
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月3日 9時0分
-
4今度はなんのコラボ? マクドナルドのX、次回の「ハッピーセット」のヒント画像公開...期待高まる
J-CASTニュース / 2024年7月4日 16時49分
-
5勢いづく出社回帰 テレワークは消えゆく運命なのか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 6時35分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)