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セキュリティー専業GSX、年25%成長を支える戦略 出資・提携やファンド創設の狙いを社長が語る

東洋経済オンライン / 2024年5月8日 8時0分

出資を受ける企業も同じ業界の企業から、経営や営業の支援、顧客基盤の紹介などを受けることができる。投資する企業も、こうした企業の製品やサービスを自社のラインナップに加えることができるかもしれない。

そうすれば1社が単独で成長するよりも、加速度的に成長が早まるし、業界のつながりも深まる。その結果、日本全体のセキュリティーの水準も上がって、より守られることになるだろう。

――今後のスケジュールは?

まずは発起人の4社、当社と兼松、兼松エレクトロニクス、ウエルインベストメントの4社で約10億円を出資し、ファンドを組成する。

その後、セキュリティー会社20社程度に数千万~数億円程度を出資してもらうイメージだ。そうすると30億~50億円ぐらいになる。後追いの出資を含めて70億円程度、そして機関投資家や金融機関を含めて100億円程度と考えている。

実際にセキュリティー企業の数十社に出資の話をしたが、反応は上々だ。親会社の方針や過去の経緯もあって辞退するといった会社も一部あったが、大半の会社は出資の意向を示している。詳細に関しては、6~7月に公表する予定だ。

業界全体をボトムアップへ

――投資先のイメージは。

3種類の投資先を考えている。まずはピュアなベンチャーだ。

ファンドの投資責任者をお願いしているウエルインベストメントは、早稲田大学のファンドなどを運用していた会社で、大学とのつながりが深い。こうした大学系のベンチャーや、アーリーステージで創業間もない企業などを投資対象としたい。

2番目は、今のままだと低評価のまま上場になってしまうため、われわれの出資と支援を受けて、勢いをつけて上場したいベンチャーだ。

そして3番目は株価が低迷している上場企業となる。時価総額20億~30億円で沈んでいる会社に、ファンドが応援団として出資し、会社の価値を高めて、株価をしっかり上げて、評価益をもらうという構図だ。

――セキュリティー会社がセキュリティー会社に出資をすると、競合を育てたり、競合にならないように成長を妨げたりといった懸念はないのでしょうか。

投資の目利きをするのは、セキュリティー会社の事情に詳しい、数社の担当者で構成されるアドバイザリーボードになる。「この会社を育てたら、あの会社の脅威になるかもしれない」という話は当然に出てくるだろうが、その辺は柔軟に対応したい。ただ、競合を作るという発想はそもそもない。

今回のファンドは僕が構想した。当社は多くのセキュリティー企業と取引関係があるので、さまざまな企業にファンドへの参画を呼びかけている。ファンドを通じて、各社の経営者が悩み事を相談し合ったり、成長を応援したりするような環境を作り、業界全体をボトムアップしていきたい。

松浦 大:東洋経済 記者

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