1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「電通でも残業60%減」を実現したシンプルな原則 付け焼き刃の対策より「経営者の覚悟」が大切

東洋経済オンライン / 2024年5月8日 11時20分

トップによるこのセリフこそが、従来の業務を改めていく「時短改革」というプロジェクトの成否を左右するというのだ。

時短が必要な状況になったのはすべて、会社が無関心だったのが悪い。工場と異なりオフィスのプロセス構築を、すべて現場に丸投げしてきた経営陣の責任である。その認識に立って時短改革を進めていくという姿勢を一貫させなければいけません。(121ページより)

「ムダがあるとすれば、それは会社が現場に押しつけてきたものだけである」というステートメントを揺るがすことなく、時短推進側にも徹底させることが重要だということである。

「なんの業務に何時間使っているか?」をリストアップ

現状を肯定したその先にあるべきステップは、「現状の徹底把握」という大きな一歩を踏み出すこと。「なんの業務のどの工程に、それぞれ何時間を使っていますか?」という調査を実施するわけである。なお、その際には設問の立て方が重要なポイントになるようだ。

① 「ムダな業務」をリストアップさせるのではなく、現状のすべての業務について、各業務にどれだけの時間がかかっているかだけを調査する。つまり「必要か、ムダか」という評価はいっさい入れずに、調査を進める
② 業務単位ではなく、その業務を構成する「工程」単位に分解する
③ 期間は「月間」を基準とする。ただし、四半期に1回や年に1回しか行われないような業務に関しては、それぞれ別途把握する
(122〜123ページより)

上記の①については先述したので、②「業務を工程に分解する」についての説明を確認してみよう。

ここでは例として「会議用の資料作成」という業務が挙げられているのだが、この場合は「会議の資料作成(という業務)にどのくらいの時間をかけていますか」と聞くのではなく、「会議の資料作成を5工程に分けたとすると、各工程にどれほどの時間をかけていますか」と質問するべきだという。

業務は多くの場合、複数の工程から成り立っている。結果的に業務の時間を短縮したいわけだが、そのためには1つひとつの工程の所要時間を減らすしかない。

そのため、時短対象の業務を工程単位で見ることが重要なのである。

工場改革と同じ視点を持つ

かつて工場の生産管理を徹底する際には当然のことだったこの考え方が、経営者にも当てはまるということだ。すなわち、工場改革と同じ視点をもってオフィスの時短を図ろうとしている姿勢自体が、社員の納得を得るカギになるというわけである。当然ながらそれはメーカーに限らず、工場部門がない企業にもいえること。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください