1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「大画面iPad」が9万円安く買えるようになる意味 キーワードは「ディスプレー」「AI」「操作性向上」

東洋経済オンライン / 2024年5月9日 11時20分

今回の新製品で、iPadラインナップ、ひいてはタブレットPC市場そのものへのテコ入れを図りたい狙いがアップルにはある。そのキーワードは、ディスプレー、AI、そして操作性の向上だった。

iPad Airに待望の大画面サイズ

iPadの代表的なモデルであるiPad Airは、これまでのM1チップがM2チップに刷新され、処理性能15%、グラフィックス性能25%、メモリーの帯域幅50%がそれぞれ向上し、AI処理を司るニューラルエンジンも40%高速化され、毎秒15兆8000億回の処理が可能となった。

そのiPad Airに、これまでのモデルを踏襲する11インチに加えて、画面を拡大した13インチモデルが登場した。これまで大画面モデルはiPad Proにしか用意されておらず、最高の性能と大画面がセットで、もちろん価格もその分高くなっていた。

今回iPad Airに大画面モデルを用意することで、iPad Proの13インチを選ぶ場合と比べて、9万円安い選択肢を提供できるようになった。Proほど先進的な性能は必要ないが、大画面のiPadがほしい、というニーズに応えるようになった。

※ただしiPad Airは128GBストレージ、iPad Proは256GBストレージの違いがある。同じ256GBストレージに合わせると、価格差は7万4000円に縮まる。

ニュースが多かったのは、最上位モデルとなるiPad Proだ。

13インチモデルはアップルの製品の中でこれまでで最も薄い5.1mmを実現し、前モデル6.4mmだったことから、1.3mmも薄くなった。重さも682gから579gと、100g以上軽量化された。持っただけで薄さ、軽さを体験できるほどの変化だ。

なお11インチの新モデルは、前のモデルに比べて、0.6mmの薄型化、22gの軽量化にとどまっている。

今回の大きな進化のポイントは、新しいチップであるM4搭載と、ディスプレーを「Tandem OLED」という技術を用いたUltra Retina XDRへと進化させた点だ。これまでミニLED方式だったiPad Pro 12.9インチのディスプレーにはバックライトが存在し、その分厚みが必要となっていた。

有機ELはバックライトが不要となってディスプレーが薄型化され、配線など内部構造の大幅な再設計を伴って、5.1mmという薄型化を実現したという。

Tandem OLEDは、2枚の有機ELパネルを重ねて、反応速度と輝度の向上を狙う技術で、これを用いたUltra Retina XDRディスプレーを13インチモデルだけでなく11インチのiPad Proにも採用した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください