京成電鉄が「オリエンタルランド株」巡り攻防戦 物言う株主の株主提案にも動じない老獪さ
東洋経済オンライン / 2024年5月10日 7時0分
OLC株を大量に売って売却益を得たとしても、その使途がなければ不毛な行為となる。その点、京成電鉄にはこの先の成長戦略において、多くの資金需要がある。
資金使途が説明できれば株を売る?
京成電鉄にとって成田国際空港へのアクセス路線は収益柱だ。その成田空港は滑走路の新設など拡張計画を打ち出している。「成田空港の発着回数が増えるとなると、当社としても輸送力の増強を図る必要がある」と同社の広報・IR担当者は話す。車両基地の建設や整備も進めることになるだろう。
ほかにも、「台風や地震などの災害対策、バスの運転手不足対策など、やることはいっぱいある」(京成電鉄の関係者)。さらに鉄道以外の領域である流通事業強化の一環で、今2025年3月期中にも地場スーパーなどのM&A(企業合併・買収)を検討している。
京成電鉄の関係者は、「京成電鉄は成長投資への資金が必要だ。お金の使い方が説明できるとなると、OLCを売るのではないか」と見通す。
「京成電鉄の小林敏也社長が、『OLCが当社の持ち分適用会社であることにこだわる必要はない』と、周りにつぶやいている」――。市場関係者からは、こういった声も漏れ伝わってくる。
パリサーのOLC株に対する要求について、その対応を京成電鉄の広報・IR担当者に確認したところ、「個別の投資家に関することは回答できない」とした。
おりしも、エリオットからOLC株売却を求められている三井不動産は、その保有比率を徐々に減らしている。京成電鉄は現在の保有比率を継続するとなると、多額のOLC株を保有する合理性を説明できなければならない。
当面の焦点は、6月27日に開催予定の京成電鉄の定時株主総会だ。経営陣は株主に向けて何をどう語るのか。これまで以上に注目を集める。
梅咲 恵司:東洋経済 記者
外部リンク
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1日本に豊田章男氏がいたのは幸運だった…「EV化の真実」を主張し続けた豊田氏が筆者に明かした「真意」
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 8時15分
-
2妻に先立たれた65歳、年金約17万円・おひとり様シニアを襲う<老後破産へのカウントダウン>
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月3日 9時0分
-
3今度はなんのコラボ? マクドナルドのX、次回の「ハッピーセット」のヒント画像公開...期待高まる
J-CASTニュース / 2024年7月4日 16時49分
-
4勢いづく出社回帰 テレワークは消えゆく運命なのか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 6時35分
-
5ソニーが録画用ブルーレイディスク生産終了へ、光ディスクの記録メディアから完全撤退「市場が縮小」
読売新聞 / 2024年7月5日 18時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)