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結婚できる高所得層・できない中間層の残酷格差 女性が求める男性の年収と実際の年収の乖離

東洋経済オンライン / 2024年5月11日 12時10分

こうした現実をふまえて「婚活女性も相手の希望年収を下げよう」という声もあがるのですが、実際当の婚活女性にしてみれば、夫となる相手の年収は、結婚後の生活のベースとなるものであり、また、結婚した後、出産・子育てステージに入った場合に、退職や休業を余儀なくされて、夫の一馬力にならざるを得ない可能性も考慮すれば、そこは譲れないポイントでしょう。

それでなくても2015年以降、「結婚と出産のインフレ」が顕著になり、「お金がなければ結婚も出産もできない」という状況に陥っているからです。(参照→日本の若者が結婚しなくなった「本当の理由」)

これを、結婚における女性の「上方婚志向」と言います。上方婚とは、女性が結婚相手に対して自分より収入が上の相手を求めるという志向です。


別に、圧倒的なお金持ちの男性を希望するという非現実的な「玉の輿」願望ではなく、結婚後の経済生活や子育て等を考えた際に、「せめて自分の年収よりも高い男性と結婚したい」というきわめて現実的な要求です。

では、実際に20代で結婚した夫婦の上方婚・同類婚・下方婚の割合はどれくらいでしょうか。

国の基幹統計では、婚姻した時点の夫婦のそれぞれの年収調査統計はありませんので、就業構造基本調査より、妻の年齢29歳以下の子の無い夫婦のみ世帯を疑似的に結婚間もない夫婦とみなしてデータを見てみましょう。

妻の年収を軸として、それより夫のほうが年収の高い「上方婚」と夫婦が同額の「同類婚」、および夫の年収が妻を下回る「下方婚」とに分けてまとめると、2022年時点で上方婚70%、同類婚20%、下方婚10%でした。

妻の年収別に上方婚の割合を見ると…

さらに詳細に、妻の年収別の割合を見ると以下の通りです。比較のために2012年と2022年で比べてみます。

まず、2012年で見ると、妻が無業および扶養内就業と思われる150万未満の場合は、当然ながら9割以上が上方婚となりますが、妻の年収があがるごとに上方婚の割合は減り、妻年収400万円台で上方婚率は29%ともっとも低くなります。しかし、妻の年収が500万よりあがればまた上方婚率もあがるというVの字型となり、妻の年収が700万円以上の場合は、上方婚率も75%に達します。

それが2022年になると、Vの字型ではなく、妻の年収があがればあがるほど上方婚率は下がる傾向になっています。これだけを見てしまうとこの10年で「上方婚」は減っているかのように錯覚してしまいますが、これは各年収単位での構成比であり、実数ではありません。

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