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結婚できる高所得層・できない中間層の残酷格差 女性が求める男性の年収と実際の年収の乖離

東洋経済オンライン / 2024年5月11日 12時10分

20代での結婚の年収ボリュームゾーンは300万〜400万円台です。妻年収300万円台の上方婚率は、2012年の47%から2022年は66%へと大きく増えています。また、妻400万円台においても同29%から39%へと増えています。つまり、妻の上方婚はそのボリューム層である中間層において増えていることを意味します。

これを夫の視点から見ると、結婚相手として選ばれる年収のハードルが中間層においてあがっていることになります。

キャリアを積むと相手に求める年収条件もあがる

具体的に、上方婚をした20代妻の年収別にどれくらい自分より稼いでいる夫と結婚しているのかを2022年就業構造基本調査から計算したものが以下になります。

無業の場合で470万円、扶養内150万円未満の場合で自分よりプラス364万円、もっとも低くて妻の年収400万〜500万の場合で自分よりプラス200万円となっています。そして、600万円以上稼ぐ妻の場合は夫の経済力も高くプラス360万円です。

これらのプラス額を夫の年収にあてはめると、同類婚や下方婚をあわせた全体の夫の平均年収よりすべてにおいて高い年収が求められます。上方婚の場合、300万円台の妻は550万円の年収がある夫と結婚しているのです。

こうして見ると、「年収500万円は普通」というのは、結婚できた女性にとってはその通りなのでしょう。しかし、これから結婚しようとしている未婚女性も同様にそれが可能かというとそうはなりません。

要するに、「夫500万円以上」とマッチングした女性だけが結婚できていて、婚活市場からその年収層は早々に完売してしまいます。婚活にいそしむ未婚女性は、それでも「500万円以上」を求めてさまよいますが、市場にはもう残っていない。

さらに、見合う相手がいないからと、出てくるまで待とうとしても、皮肉にも女性がキャリアを積めば積むほど自身の年収もあがります。そうなるとさらに相手に求める年収条件も自動的に上方スライドします。結局いつまでたっても条件に見合う相手は見つからない。まさに「上方婚志向の無限地獄」に陥ります。だからこそ全体の婚姻数が激減しているわけです。

20代夫婦の子無しと子有りの夫の年収構造の違いを見ると一目瞭然です。まだ子の無い夫婦の場合は、最頻値こそ10年間で300万円台から400万円台へと上昇しましたが、全体数はほぼ一緒です。しかし、子のいる夫婦で見ると、夫年収500万円以上は10年前と子のいる世帯数はまったく減っていませんが、それ以下の層、特に夫年収150〜400万円のかつてのボリュームゾーンだけが大きく減少しています。

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