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「ライドシェア」解禁1カ月、ドライバーが見た実態 ドライバー確保や所得水準はどうなっている?

東洋経済オンライン / 2024年5月12日 12時40分

不安視されていた安全・安心の担保をタクシー事業者が行うことを目的に、タクシー会社主導で管理・運行や研修、採用活動などを実施している。例外なくタクシー事業者と同等の料金体系での利用となっており、この点が、主にダイナミックプライシングが適応されている海外のライドシェアとの違いでもある。日本のライドシェアは、「タクシー会社で働く自家用車のパートタイマー」という表現が、最も現状に近いという気もする。

稼働時間は、国交省が定義する供給不足が発生しているという時間帯に限られている。その時間と不足台数は東京特別区・武三地区で、月~金曜日の7時~10時台が1780台。金・土曜日の16時~19時台が1100台。土曜日の0時~4時台が2540台。日曜日の10時~13時台が270台だ(数字や時間は4月8日の開始時点)。

しかし、ドライバーは週20時間という限定された稼働時間の中で毎日働くわけでもないため、国交省が定める数字を確保するには、各時間でこの倍近い人員が必要となるはずだ。

4月15日の時点で登録ドライバーが東京では389人だったことを考慮すれば、とても数カ月間で到達可能な数字とは思えず、いずれにしてもまだまだドライバーは圧倒的に足りていない計算となる。東京でもこういった状況であることから、他の地方都市では、採用に関してはより厳しい状況であることは想像に難しくない。

神奈川県に本社を置き、都内でもタクシー事業を展開する三和交通の広報担当者によれば、ライドシェアの応募者280人に対してグループ全体で100人の採用に至っている(現在の数字は4月15日時点)。担当者は「問題点も出てくるとは思いますが、やりながら改善していくことが大切で、制度的には世の中にとっていいことだと思います」と明かした。

業界大手の日本交通も1万件超の応募が来たという。総じてタクシー事業者側から聞こえてくるのは、「想定以上に応募者の数は多かった」という意見だ。ただし、条件を聞いたうえでの辞退者や不採用になっている割合も非常に多く、研修期間中などでまだ待機組が残されていることも明記しておく。

では、どんな層がドライバーとして働いているのか。複数のタクシー事業者の話によれば、「大半が本業で車を使用している方。特に個人事業主の多さが目立つ」という。そのうち9割が男性で、30~50代が占める割合が多い。原則タクシー会社とドライバーの間では、3カ月程度のパートタイムや業務委託契約を結ぶ。

気になる所得水準は?

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