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「ライドシェア」解禁1カ月、ドライバーが見た実態 ドライバー確保や所得水準はどうなっている?

東洋経済オンライン / 2024年5月12日 12時40分

所得については社により多少の違いはあるが、概ね時給換算で1300~1500円前後に加えて、1時間あたりの売り上げ(3000円超過分がライン)に応じて成果給が支払われる。都内では「約200人のドライバーが時給1700円(手取り)の仕事を得られた」との報告もあり、ボリュームゾーンとなる収入はこの辺りになりそうだ。

実際に参画したドライバーの声に耳を傾けてみよう。介護タクシーで働いてきた40代女性は「隙間時間に働きたかった」としたうえで、こう話した。

「本職が稼働しない時間に働けるライドシェアに挑戦してみたいと思いました。研修や座学の実習が思っていたよりも長くて、安全のためには必要なことだと感じました」

販売業を営む個人事業主で、複数の副業を同時に掛け持ちしている、という大木さん(仮名・40代男性)がこう明かす。

「メインの仕事が閑散期や暇な時間があるため、これまでも空いた時間に別業種で送迎のドライバーとして働いてきましたが、昨今のタクシーバブルが気になり応募したんです。複数ある副業の選択肢の中で、もっとも効率がよいものを探していた。その中でとりあえずライドシェアを試してみたという感じですね。1日4時間程度の週1勤務なので、本業への支障はありません。稼ぎも思っていたよりもいい。ただ、もう少し稼げるように勤務時間の制限は緩和してほしいですね」

仕事としてのメリットは?

「運転に慣れた人であれば特に大きなストレスはないのでは」と大木さんは言う。ただし、ドライバーが今後増え続けるかと尋ねると、「その点では疑問も感じている」とも続けた。

「本業の就労時間が40時間を超えるとライドシェアで働けないので、前提として会社員の副業としては難しい。週20時間の勤務時間の制限、“短すぎる”営業時間が撤廃されない限りは、ドライバーが大幅に増えることは考えにくいです。最も稼げる金曜日の深夜帯を中心に今後も働いていく予定ですが、時間に抵抗がない人であれば客単価が見込めるこの時間に集中するでしょう。私個人の希望としては、深夜帯でやるならば時給5000円、日給1万5000円の収入が最低限の続けるラインかな、とも感じています」

日本型ライドシェアの出発式には、河野太郎規制改革担当大臣や斉藤鉄夫国交大臣ら政治家も顔をみせた。その中で河野大臣は「順次アジャイルしていくことが大切だ」と強調し、斉藤大臣も「全国でできるだけ早くスタートさせたい」と意気込んだ。5月からは大阪市や札幌市、福岡市などの大都市圏でも解禁され、さらに新たな地域が参画することも予測される。

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