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介護費を兄が工面、脳出血になった独居弟の苦悩 「体は資本」老後まで使い続けるなら過信は禁物

東洋経済オンライン / 2024年5月12日 7時20分

Aさんもある日突然、脳出血に見舞われるまでは、自分の健康状態に問題があるとは微塵も思っていなかったそうです。

こうした事態を防ぐには、とにかく定期的に健診を受け、異常を指摘されたら受診するほかありません。健診を受けていない人が、具合が悪くなって病院に行ったら、糖尿病がかなり進行していて、血管が傷つき、失明や人工透析の危険があることがわかった、というケースも決して少なくないのです。

生活習慣病は、調子が悪くなってから病院に行くのでは手遅れ。どこも悪くないときから定期的に健診を受け、病気の芽を摘んでリスクを回避しましょう。

毎年健診を受けていると、1年前と比較して自分の体の経年変化をチェックすることができます。体重や腹囲が増えていないか、血圧や血糖値、コレステロールはどうかなど、定期的に確認して、気になるところがあれば生活習慣を振り返ってみるといいと思います。

40歳以上の人は、特定健診の結果でメタボリックシンドロームのリスクがあると「特定保健指導」が受けられます。病院で治療が必要になる前の段階で、保健師などから運動や食事など、生活習慣の改善についてアドバイスを受けることができます。

少なくとも、塩分過多や脂質過多など食生活の乱れ、運動不足、夜更かし続き、喫煙習慣などの不摂生が続いている人は、生活習慣を見直す努力をしましょう。

昔から「体が資本」といわれるのはその通りで、何をするにも元気な体があってこそ。体という資本を、老後まで快適に使い続けるには、適度な運動や栄養バランスの良い食事を心がけ、ときに必要なメンテナンスをしながら、悪いものが蓄積しないよう注意することが大事です。

サプリメントに頼るのは×

こうした生活習慣の改善を、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品などに頼る人がいますが、それでは根本的な解決にはなりません。

健康の基本となるのは、運動、食事、睡眠です。

血糖値が高い状態が続いている人が「血中の糖を減らす効果があるサプリを飲んでいるから、運動しなくても大丈夫」などと考えるのは正しくありません。健康食品で症状を治すことは「できない」と考えてください。

昨今、製薬メーカーの健康食品による健康被害の一件から、機能性表示食品の安全性が問われていますが、健康食品の多くは特定の成分を濃縮したもので、摂取のしすぎはよくありません。

病気や症状を治す効果があるのは、医師の診断・処方に基づいた医療用医薬品です。薬局・ドラッグストアで売っている市販の医薬品の一部も同様の効果がありますが、長期間にわたって自己判断で摂取するのはお勧めできません。

生活習慣を改善できるのは、他ならぬ自分しかいません。繰り返しになりますが、生活習慣病の予防には、定期的な健診と正しい生活習慣のセットが欠かせないのです。

現役世代にも潜む生活習慣病のリスクを軽視し、「こんなはずじゃなかった」ということにならないためにも、ぜひ日頃から心がけてほしいと思います。

(構成:ライター・松岡かすみ)

中村 明澄:向日葵クリニック院長 在宅医療専門医 緩和医療専門医 家庭医療専門医

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