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「リセールバリュー」気にしてクルマ買う人の実態 年代/性別/世帯年収/メーカーで調査・分析

東洋経済オンライン / 2024年5月13日 11時0分

最後に「顧客構成別」のデータも紹介する。具体的には「メーカー再購入意向」の指標と、「継続購入状況」を組み合わせて分類し、ユーザーを次の5つに分けたものだ。

<A:生涯顧客>
そのメーカーのクルマを今後も購入し続ける人
<B:準生涯顧客>
生涯顧客ほど強くないが、乗り続ける可能性の高い人
<C:ニュートラル>
この先の意思決定は未定な人
<D:離脱予備軍>
このままでは他社へ流出するおそれのある人
<E:次期離脱>
このままいけば高い確率で他社へ流出する人

「とてもあてはまる+あてはまる」を見ると、離脱性の高い人ほどリセールバリューを意識していない結果となった。購入したクルマのメーカー(ブランド)への愛着の強さが表れた形だ。

しかし、ここで疑問が湧く。生涯顧客の多さは、顧客基盤の強固さを表すものだ。その生涯顧客が、ほかの顧客層よりもリセールバリューを重視しているのは、どうしてだろうか。

今回の調査では因果関係はわからないが、リセールバリューを意識した結果、同一メーカーを乗り続けているのかもしれないし、同一メーカーでのより上位車種への買い替えを考慮して、リセールバリューの高いクルマを選んでいるのかもしれない。

ポジティブな連鎖を実現するには?

好きなメーカーのクルマを購入し、数年後に同じメーカーの別のクルマに乗り換える。その際に高く売れることは、ユーザーとして嬉しい。言うまでもなく、次に買うクルマの予算を増やすことができるためだ。想定していた予算よりも1つ上のグレードを選択したり、追加でオプションをつけたりもできる。

売り手のメーカーやディーラーの視点で見れば、その分1台あたりの利益を増やすことができる。これらポジティブな連鎖を実現するためには、中古車市場でそのクルマが価値を保ち続け、値崩れしないこと、そしてそもそも新車市場で高い人気を得る必要がある。

トヨタにしろメルセデス・ベンツにしろ、エントリーモデルからのステップアップに対応するラインナップを持つメーカーは、このポジティブな連鎖をうまく構築できている例といえるだろう。

リセールバリューを意識しすぎてライフスタイルに合わないクルマを選ぶのは本末転倒だが、ユーザーとしてはやはり、ある程度リセールバリューは気にしたいところだ。

もう一度調査結果の表を見る

三浦 太郎:インテージ シニア・リサーチャー

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