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大谷の"番記者"が語る「ドジャース移籍」の狂騒 「予期しない道を選ぶ」大谷ゆえの混乱と納得

東洋経済オンライン / 2024年5月13日 16時0分

個人的には、エンゼルスに残留する可能性は低いと思っていた。でもエンゼルスが大谷サイドの要望に応えていたら、チャンスはあったかもしれない。

色々な面で、大谷という選手は予想しづらいところがあるのは分かっている。だから、ブルージェイズを選んでいたとしても、驚きはなかったと思う。

ドジャースは、大谷にワールドシリーズ優勝を狙うチャンスを「保証」してくれる。ほかにも大谷がドジャースを選ぶべき理由はいくつもあるけど。契約についても納得がいく。両サイドにとって良い内容だと思う。

野球以外には関心がない?

ディラン 大谷はもっともらうべきだよ。現役中に年200万ドルしか受けとらないのは、低すぎる。お金の価値は時間とともに低下するしね。

文化の違いもあるかもしれない。この国で育ったら、グーグルのような大企業が社会に与える悪影響を目の当たりにする。メディア業界も、そういう大企業にめちゃくちゃにされた。

だから、(アメリカ人選手なら)たとえお金がいらなくても、そういう連中に白紙の小切手を渡すくらいなら、慈善事業にでも寄付しようって気になる。

(ドジャースを所有する投資会社の)グッゲンハイムは、宝くじを当てたみたいな気になったんだろうな。そして、それで得た金を、1週間に一度以上投げたことのない小さな投手(山本由伸)や、健康でいられたことのない投手(タイラー・グラスノー)に無鉄砲につぎ込んだ。

通常なら彼らが絶対にやらないことだけど、自分たちの金じゃないとなった途端に、「とことん使うぞ」ってなった。

サム でも大谷はこの6年間、絶対にこんなふうには補強しない球団にいた。彼は勝利に飢えている。ほかのことはどうでもいいんだと思う。

適切な例かは分からないけど、元首相の安倍晋三が銃撃された時に、大谷にそのことは質問しないように言われたのを覚えている。彼は野球以外で起きていることから自らを遮断しようとしているんだと思う。

ディラン それはそうだね。サッカーのワールドカップで日本代表のキャプテンを務めた吉田麻也が、ロサンゼルス・ギャラクシーに移籍して、エンゼルスの試合で始球式を務めた時、大谷の側を通りすぎても、大谷は見向きもしなかった。

別に無視したんじゃないと思う。単に吉田が誰なのか、よく知らなかっただけなんだと思う。

「変わったなと思うよ」

サム 彼の世界には野球しかないんだろうね。大企業や政治がどうたらこうたらとか、自分の懐事情にとってどちらが正しいかなんてことは全く気にしていない。今回の移籍でどれくらいのお金を稼ぐかってことも。

いずれにせよ、大谷はこれからの10年で勝ち続けるのに最適な契約内容にした。(経営のトップにいる)アンドリュー・フリードマン(編成本部長)とマーク・ウォルター(オーナー)がいなくなった場合は、自分から契約を破棄できる条件を盛り込んだことからも明らか。

それと、大谷を取り巻く状況も、エンゼルスにいた時とは一気に変わった。ラムズ(ロサンゼルスを本拠地にするNFLチーム)の試合を観戦したり、ロサンゼルスの寿司屋に行った写真が出回ったり。

ロサンゼルスという大都市のスーパースターになったことを受け入れたかのよう。7億ドルという契約を結んだことの意味を理解しているのかもしれない。

エンゼルスにいた時は、自宅と球場の往復だけで、公の場に姿をほとんど見せなかった。変わったなと思うよ。

志村 朋哉:在米ジャーナリスト

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