1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「待遇に満足な社員」が会社を辞めてしまう真因 なぜ互いに「相思相愛」の関係が築けないのか

東洋経済オンライン / 2024年5月13日 8時30分

Seeにおける誤解…「従業員の不満を解消すればエンゲージメントは上がる」 

サーベイの結果をもとに「See(現状分析)」をして、従業員の不満や組織の課題を抽出していきます。しかし、従業員の不満を解消するだけで、エンゲージメントが向上するとは限りません。このことは、「ハーズバーグの二要因理論」からも明らかです。

ハーズバーグの二要因理論とは、職場における満足・不満足を引き起こす要因に関する理論で、米国の臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱したものです。ハーズバーグは、職場において不満足を招く要因を「衛生要因」、満足につながる要因を「動機づけ要因」と定義しました。

【衛生要因】企業の方針と管理方式、監督、賃金、対人関係、作業条件など


【動機づけ要因】達成感、承認、仕事そのもの、責任、成長など

衛生要因の不足は従業員の不満足を招き、動機づけ要因の充足は従業員の満足につながります。

この理論のポイントは、衛生要因を充足しても満足にはつながらず、動機づけ要因が欠けていたとしても、不満足を引き起こすわけではないということです。

多くの企業では、給与や働き方を見直すなど、従業員が抱えている明確な不満を解消しようと努めますが、衛生要因を解消するだけでは、いつまで経ってもエンゲージメントは向上しません。

もちろん、衛生要因への対応も必要ですが、エンゲージメントを向上させるためには「いかに動機づけ要因を生み出せるか」が重要です。

従業員は「何をどのくらい求めているのか」

Seeのポイント…満足度だけでなく期待度も測る

動機づけ要因を生み出すためのポイントは、エンゲージメントサーベイで従業員の「期待度」を測ることです。満足度だけを測るサーベイでは、満足度の低い項目からしらみつぶしに対策していく、という方針になりがちです。

しかし、従業員の不満は絶えず出てくるため、人事部門や企業全体のリソースが不足し、疲弊してしまう企業も少なくありません。

サーベイで従業員の期待度を把握できれば、不満を解消するのではなく、期待をすり合わせる方向性で施策を講じることができます。

従業員が「何をどのくらい求めているのか」が分かれば、動機づけ要因も抽出しやすくなり、より効果的にエンゲージメント向上を図ることができるでしょう(図表1)。

※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください