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部下と信頼関係を築く「傾聴」の実践ポイント3選 1on1を成功に導くコミュニケーションスキルとは

東洋経済オンライン / 2024年5月14日 17時0分

自己肯定感が高まる

傾聴による丁寧な話の受け止めにより、相手は「自分は関心をもってもらえる存在だ」と感じ、自己を認めることで自己肯定感が高まります。批判や評価をすると、「自分は責められている」と受け止められることがあるため、傾聴は受容的な態度で行うことが基本です。

傾聴の効果は様々ありますが、人と人との関係性を深め、円滑なやりとりを実現するコミュニケーションスキルだと考えるのがよいでしょう。

傾聴に必要な3つの要素

アメリカの著名な心理学者であるカール・ロジャーズは、カウンセラーの基本的態度として受容・共感・一致という3つの要素を挙げています。傾聴はカウンセリングにおいて絶対要件と言われるほど重要な技術であり、これら3つの要素は効果的な傾聴を行う上での基本的態度と言い換えられます。

受容とは相手に対して批判や評価をしないこと、共感とは相手の立場を理解すること、そして一致とは自分自身に気づくこととなります。これらの3つの要素を意識的に磨いていくことで、傾聴のスキルを身につけることができ、これまで無意識的に行っていた「聞く」という行為から、より意識的、能動的な「聴く」ができるようになるでしょう。

実践する際に意識しておきたいポイント

傾聴実践のポイント1:相手の思いや感情を意識する

傾聴は、相手が本当に話したいと思っていることを話してもらうことで、より高い効果を得られます。しかし、「話したいことを話す」というのは決して簡単ではありません。むしろ自分が話したいことが何なのかを正確に把握しているビジネスパーソンは決して多くないでしょう。

職場においては、自分の話したいことを話すよりも、モヤモヤとした気持ちを抑えこんで働くことが求められています。誰もが「あのお客さんの相手はしたくない」「この仕事は面倒だから嫌だ」などと言い出してしまうと仕事にならないためです。

ただし、1on1の中では傾聴を通じてそのような思いや感情を受け止めることが大切です。抑え込まれている思いや感情を少しずつ言葉にしてもらい、胸の内にある気持ちを発散してもらうことで、次第に不満やモヤモヤした気持ちが薄れ、前向きな意識に変わっていくためです。

メンバーが「仕事でこんなことがありまして…」と出来事や事柄について話をしてくれた際は、「その時、どんなことを感じたのですか?」といった、相手の思いや感情に焦点を当てる質問をしてみてください。これにより、「実はすごく嫌な気持ちになりました」など、これまで胸の内に引っかかっていた思いを話してもらうことができます。

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