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子どもが「オンラインいじめ」にあったらどうする 匿名アカウントを使ったいじめは発覚しにくい

東洋経済オンライン / 2024年5月15日 8時30分

(写真:show999/PIXTA)

心と体が大きく変わる思春期は、時に予想もしていなかった困難が待ち受けていることがあります。そのような事態に直面して、軸である「心」をどうたもっていくことができるか、『12歳から始める心が折れない技術』より一部抜粋・再構成のうえお届けします。

匿名の投稿を特定するのはむずかしい

文部科学省の調査によると、じつはいじめが実際に報告された件数は少なくなってきています。しかし、オンラインによるいじめの件数は、逆にふえていることがわかりました。

理由としては、SNS交流サイトの匿名アカウントなどを使ったネット上のいじめは、親や先生の目がとどきにくいからです。

また、時間や場所を選ばずに、指先一本でできてしまうという簡単さや気軽さもあります。そのため「オンラインいじめ」がふえてしまっているようです。

匿名の廃止、つまりだれがやったかがわかるようになるだけでも、少しはオンラインいじめの発生をへらすことができるかもしれません。

しかし、だれが投稿をしたかを特定するのは、じつはとてもむずかしいことです。警察も、専門の部署を作って対処しようとしていますが、それでも完全にはできていません。

法律の専門家も、裁判などで発信者の特定をしなければいけないことが多々ありますが、彼らが情報分析のプロを使っても、なかなかうまくいかなかったりします。

こういった捜査・調査の専門家たちでさえもむずかしいのですから、素人である教育現場の先生方やご両親、みなさんがそれをやろうとしても、現実的にはかなりむずかしいでしょう。

また、だれかに何かの行動をやらせる、あるいはやめさせるということも、想像以上にむずかしいものです。

とくに、人数がふえてくると余計むずかしくなります。いじめの指導というのは、ふつうクラス全体、学校全体など大人数に対しておこなわれます。人が多くなればなるほど、人間は「自分がやらなくてもほかの人がやるからいいや」「自分には関係ないや」という心理が働きます。

これを「傍観者効果」とよびますが、たとえば目の前にこまっている人がいたとき、自分一人しかいないときは助けても、たくさん人がいるときはだれも助けないということが起こります。

こういった心理的な原因が重なって、いじめが起こってしまうことがあります。たとえば「自分はいじめているわけではない」と、都合よく「自分には当てはまらない」と考えてしまう「正常性バイアス」という心理も働きます。

自分だけはばれない?

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