「広告が不快」グランスタ東京の炎上に残る違和感 Apple、サッポロなど相次ぐ広告炎上対応で考えること
東洋経済オンライン / 2024年5月15日 15時50分
相次ぐ炎上による広告の取り下げ
このところ、企業による広告の炎上が相次いでいる。
【画像】ギター、ピアノなどが続々と破壊されるAppleの広告(7枚)。大きな物議を醸し続けている
JR東京駅の商業施設「グランスタ東京」の駅構内に4月25日から掲出されていた広告が批判を浴び、5月1日に撤去された。
取り下げられたのは、母の日向けの切符を模した広告。「こどもに帰ろう」というキャッチコピーや、「ずっと小児」という表記について、「マザコンっぽい」などと違和感を示す人がいた――というのが撤去の理由となっている。
5月2日にはサッポロビール「黒ラベル」のCMにおいて、起用タレントの過去の未成年飲酒疑惑が発覚し、広告が取り下げられた。
先月には、サントリー「伊右衛門 特茶」の広告に、実業家・インフルエンサーのひろゆき氏が起用されたことで批判を集めた。3月にはキリンの缶チューハイ「氷結無糖」の広告に起用された経済学者・成田悠輔氏の過去の発言が批判され、広告は取り下げとなっている。
企業の広告に批判が相次ぎ、これだけ取り下げが起きるのは最近はあまりなかったことだ。これは日本だけの現象ではなく、海外でも”事件“は起きている。
5月に入って公開されたアメリカ・Apple社のタブレット端末、新iPad Proのプロモーション動画「Crush!」に対しても批判が集まった。5月9日付の “Ad Age”の記事において、同社の副社長が謝罪を表明するに至っている。
【画像】ギター、ピアノなどが続々と破壊され、大きな批判が集まったAppleの広告(7枚)
これまでも広告表現が批判されたり、炎上したりすることはあったし、それによって取り下げを余儀なくされることも少なくなかった。
昨今の特徴としては、「不快だ」と消費者からネット上などで批判される広告が目立っていること、また、その広告を取り下げるのが適切なのか否か議論が起きる案件が増えていることだ。
要するに、適切とも不適切とも言いがたい、“グレーゾーン”のものが多くなっているということだ。
明確ではない、広告取り下げの基準
これまでも何度か書いてきたが、広告の取り下げ基準というのは明確ではない。
著作権・肖像権を侵害していた、あるいは不当表示を行っていた(景品表示法違反)といった法律違反をしていたということであれば、すぐに広告取り下げの判断がなされる。
人種・性別・社会階層などの差別を煽るもの、危険を誘発するもの、文化を冒涜するものも、大半の場合は取り下げられる。
この記事に関連するニュース
-
18、19歳成人でも喫煙・飲酒禁止はなぜ正しいのか 「成人なら喫煙や飲酒も自己責任」に危うさ
東洋経済オンライン / 2024年7月25日 10時0分
-
「未成年飲酒→逮捕ドッキリ」が波紋の中学生YouTuberへ... 「大丈夫か?元気だせよ」登録者190万同業者がエール
J-CASTニュース / 2024年7月24日 19時17分
-
ゆたぼん、体操女子・宮田問題に「ここまで叩きまくるのも違う」 批判過熱は「いい世の中の流れではない」
よろず~ニュース / 2024年7月22日 16時0分
-
体操・宮田「五輪辞退は厳しすぎる」に言いたい事 スケボ選手の飲酒が許されて宮田はNGだったワケ
東洋経済オンライン / 2024年7月22日 15時0分
-
「大正製薬の広告炎上?」怒る人は本当に多いのか 企業はネットでの批判に翻弄されるべきではない
東洋経済オンライン / 2024年7月5日 18時40分
ランキング
-
1メルカリ「フルリモート廃止?」に私が感じたこと 一体感を得るには「ある種の非効率さ」も重要だ
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 11時0分
-
2エリート官僚にトラックドライバーの気持ちはわからない…「長時間労働の禁止令」に運転手たちが猛反発のワケ
プレジデントオンライン / 2024年7月26日 8時15分
-
3<最低賃金、過去最大増の1054円>それなのにパート、アルバイトから大ブーイングのワケ「扶養控除ライン据え置きはオフサイドトラップ」「賃金はオーストラリアの半分」「政治家の報酬だけは世界トップクラス」
集英社オンライン / 2024年7月26日 18時56分
-
4再送-NY外為市場=円が対ドルで一時2カ月半ぶり高値、米GDP受け伸び悩み
ロイター / 2024年7月26日 6時40分
-
5スキマバイト「タイミー」が上場、27歳社長の素顔 時価総額1000億円超「ユニコーン」に導いた手腕
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 9時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください