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サイゼが「ミラノ風ドリア」値上げしない深い理由 「ラクして儲けたい誘惑と戦い続ける」意義

東洋経済オンライン / 2024年5月17日 15時0分

そこで次のような現象が起こります。「精神」が理想に向かおうとするのに、欲望まみれで自己中心的な「肉体」が邪魔をするのです。

卑近な例で言うと、「生活習慣病になりたくないから、カロリー摂取を抑えよう」と精神で思っていても、肉体は欲望に負けてどんどん食べてしまう。そして、「また食べてしまった」と自己嫌悪に陥る……。そんな現象です。

肉体を制御するのがどれほど難しいことか、あなたにもきっと覚えがあるはずです。肉体を制御し、乗り越えていく。それは人間の「進化の過程」なのではないかと考えています。

物質に感覚が備わって、植物へと進化する。さらに感情や欲望を獲得して、動物へと進化。そこに知性や精神が加われば、人間になる……というわけです。

しかし人間は本当に、知性や精神を自分のものにできているでしょうか。感覚や感情、つまり肉体が生み出す欲望に振り回されてばかりですよね。私たちはまだ進化の途上にあるからこそ、努力しなければならないのだと思います。

「私ほど怠け者で、自分勝手で愚かな人間はいない」という言葉の正体は、私の肉体です。

私たち人間は本来弱いものですから、易きに流れてしまいがち。自分の駄目さ加減を正しく認識しなければなりません。

「私はもう十分に頑張っている」「私ほど偉い人間はいない」などと自分を高く評価し、満足した瞬間から、堕落が始まっていきます。

私は満足すると、逆に不安を感じます。

なぜかというと、反省し、進化していくための材料がないからです。少しでもまともな人間になりたいのに、どこへ向かえばいいかわからなくなってしまう。迷子になってしまったように感じてしまうのです。「肉体」と「精神」の間で葛藤や対立があるからこそ、人間は進化できます。

自分を律し、己に克つ

「自分はまだまだ駄目だなあ」と反省し、ときに自己嫌悪しながらも、「明日こそは頑張ろう」と進化できるわけです。

このように心がけ次第で自己を向上させられる点が、人間の素晴らしいところです。人間は本来誰でも、自分を律し、己に克つ能力を持っています。

己に克つことを「克己」と言います。克己とは、自分の中にある弱い心をはねのけ、強い心で理想に向かって進んでいくことです。

この先ずっと戦っていくなんて、大変だと思うかもしれませんね。せめて今日1日だけ、「人のため」と頑張ってみませんか。あまり先のことは考えなくて大丈夫。

たった1%でも、精神が肉体よりも優位であれば合格です。

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