息子を「世界一の富豪にする"実験"」の意外な効能 子供には「投資」ではなく「ビジネス」を教えよう
東洋経済オンライン / 2024年5月17日 10時0分
より多くの人々の幸せを考えることで、その対価としてより多くの収入を得られることを自然と理解できる。
当たり前だと思うかもしれないが、それを実感できる子どもはどれほどいるだろうか。サラリーマン人口の多い現代では、会社で朝から晩まで仕事をするからお金がもらえると考えるのが一般的だ。学生時代にアルバイトをしても、賃金は働いた時間に対して支払われる。
こうした生活を送っていると、自分の労力がどのように社会に役立っているかを考える機会が生まれにくい。
「時間を使うからお金がもらえる」という認識から、「誰かの役に立つからお金がもらえる」という実態に気づくには、大きな思考のジャンプがある。これを早いうちから知っているかどうかで、働くことへの向き合い方が大きく変わる。
会社で働く際も、「自分の時間を売る」だけでなく、「誰かの役に立っている」という意識で仕事をすることが、自分にとっても社会にとってもより幸せにつながるだろう。
その意味では、家庭内でお手伝いさせてお駄賃を払うのも有効かもしれない。しかし、家族や友人に対して、損得勘定で行動する考えを育てかねない。それに、実社会で求められるのは、知らない人が喜んでくれるには何をすればいいのかを想像する力だ。
ガチャガチャのような小さなビジネスを通じて、子どもたちに経済活動を体験させることは、実践的で価値のある学びになる。アメリカで子どもたちがレモネードスタンドでビジネスの基本を学ぶのも同じだ。
この考えを持っていると投資との向き合い方も変わる。
「投資=お金を増やすこと」では失敗する
先ほども書いたが、いま話題の金融教育も資産形成にスポットがあたりがちで、多くの子どもが「投資=お金を増やすこと」と認識している。
そもそも、金融教育の“金融”とは資金に余裕がある人から必要としている人へお金を融通する仕組みのことだ。
投資が社会を成長させるのは、みんなの役に立つアイデアを持っている人のところへお金が流れて産業が発達するからだ。教える側でさえも「投資=お金を増やすこと」だと思っている現在の教育では、「投資される側」になろうとする発想は生まれそうにない。
投資商品を買ってくれるお客さんが育てば、銀行や証券会社は喜ぶだろう。しかし、それだけだ。
これから社会に出ていこうとする若い人たちまでもが、お金もないのに「投資する側」に回っていては、社会は成長しない。成長しなければ、投資する側にとってもリターンは望めない。
この記事に関連するニュース
-
【ほんとうの金融教育って?】金融教育家のベストセラー作家、田内学氏の監修書『10才から知っておきたい 新しいお金のはなし』が重版出来
PR TIMES / 2024年7月4日 16時45分
-
僕が面接で「超優秀な学生」を見抜けなかった後悔 就活生に教わった「社会人として最強の能力」
東洋経済オンライン / 2024年6月27日 8時0分
-
「東大理系卒で金融業界」の僕らが小説を書いた訳 田内学×白川尚史「異色の受賞小説家」対談後編
東洋経済オンライン / 2024年6月17日 9時0分
-
銀行は世の中の役に立っているのか…元メガバンカーの経済評論家が解説
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月15日 9時15分
-
若者に教えたい「資産形成より大事な金融の本質」 田内学×白川尚史「異色の受賞小説家」対談前編
東洋経済オンライン / 2024年6月13日 9時0分
ランキング
-
1NYで人脈構築の小室圭さん、対照的な生活の眞子さんは「ほとんど外出せず」紀子さまが抱える“複数”の不安
週刊女性PRIME / 2024年7月4日 7時0分
-
2「魚民」の大量閉店は“大正解”か。運営企業「モンテローザ」の“稼ぐ力”は他社を圧倒
日刊SPA! / 2024年7月4日 8時53分
-
3【那須2遺体】長女・宝島真奈美容疑者が遺体発見翌日に応じたTVインタビューで見せた“違和感”について臨床心理士が分析
NEWSポストセブン / 2024年7月5日 7時15分
-
4新潟上越市でマンホール点検中の男性死亡 夕方になっても帰社せず捜索、マンホール内で意識不明の状態で発見
新潟日報 / 2024年7月4日 23時40分
-
5U30世代に政治参加を促す能條桃子さん「20代の国会議員が1人もいない。だから少子化対策もずれてしまう」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月5日 9時26分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)