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思わず共感抱く「清少納言が怒った」"あるある話" なかなか帰ってくれない客、やる気ない態度…

東洋経済オンライン / 2024年5月18日 7時50分

人に姿を見られないようにと、慌てて邸に入ってくるときに、長烏帽子が物に当たり、ごそごそ音を立てるのが、清少納言には憎たらしく感じたのでした。

板戸を手荒く開けるのも、清少納言のひんしゅくを買うのでやめたほうがよいでしょう。

清少納言の怒りの対象は、まだまだあります。恋愛関係になっている男性が、昔の想い人のことを話し始め、褒めたりするのも、昔のこととは言え、腹立たしいと清少納言は語ります。男性は、案外、そうしたところが無頓着なのでしょうか。

ギシギシ車を乗り回す人にも、清少納言は怒っています。「耳が聞こえないのかしら」と。自分がそんな車に乗った場合は、車の持ち主まで憎たらしく思うと、清少納言は記します。

今で言えば、爆音を立てて走り回る車や、バイクを「うるさい、鬱陶しい」と思うのと同じでしょう。

令和でも共感できる話が多い

清少納言が憎たらしいと感じることを列挙してみると、時代は変われど「わかる」と共感できることも多々あります。平安時代の人々と現代人の感性の差や、共鳴できる部分を見つけることもまた楽しいものです。

(主要参考・引用文献一覧)
・清水好子『紫式部』(岩波書店、1973)
・石田穣二・訳注『新版 枕草子』上巻(KADOKAWA、1979)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・渡辺実・校注『枕草子』(岩波書店、1991)
・朧谷寿『藤原道長』(ミネルヴァ書房、2007)
・紫式部著、山本淳子翻訳『紫式部日記』(角川学芸出版、2010)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)

濱田 浩一郎:歴史学者、作家、評論家

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