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「セクシー田中さん」悲劇を受けた春ドラマの現実 あれから4カ月、ドラマ制作は変わったか?

東洋経済オンライン / 2024年5月18日 13時0分

計16作中オリジナルは12作(75%)、漫画原作が3作(19%)、小説原作が1作(6%)でした。漫画原作は5作に1作程度、小説も含めた「原作あり」全体でも4作に1作程度と、さほど多くないことがわかるのではないでしょうか。

2月に東洋経済オンラインで、「『セクシー田中さん』報道で多発する意外な勘違い 現在のドラマは本当に漫画原作ばかりなのか?」というコラムを書きました。この中で過去1年間・4クール分のデータをあげましたが、計63作中オリジナルは40作(63%)で、そのうち漫画原作は12作(19%)で、今春と同じ割合でした。 ※小説・海外ドラマ・ノンフィクションなどを含めた「原作あり」全体は計23作(37%)

この結果から、ゴールデン・プライム帯には漫画原作のドラマがさほど多くなく、「セクシー田中さん」のようなケースは頻発しづらいことがわかるでしょう。

「原作者の理解」をネット上で公表

次に現在放送されている漫画原作の3作は、どれくらい脚色されているのか。また、「セクシー田中さん」の悲しい出来事を受けて、何らかの対策は施されたのか。

「アンメット ある脳外科医の日記」は、主人公を漫画の脳外科医・三瓶友治(若葉竜也)から、記憶障害のある脳外科医・川内ミヤビ(杉咲花)に脚色。作品の印象やコンセプトに影響しかねない大きな変更ですが、原作者・子鹿ゆずるさんは、この変更を「面白そう」とポジティブに受け止め、数社のオファーからあえて選んだことを明かしました。

さらに「ドラマ化にあたり、製作スタッフの皆様ならびに杉咲花さんはじめ実力派俳優の方々により、原作を超越した見事なドラマに仕上げて頂けそうで大変感謝しています。本ドラマが、一般視聴者の方々のみならず、当事者・ご家族の皆様、医療福祉関係者の皆様への応援になれば幸いです」と前向きにコメントしたほか、自身のXでもドラマをPRしています。

これは「スーパー脳外科医・三瓶の活躍をフィーチャーすること以上に、後遺症を抱えながら前を向いて生きていく術後の姿までを描く」というスタッフの制作姿勢と杉咲さんや若葉さんらの熱演によるところが大きいのでしょう。また、番組ホームページ内に子鹿さんと米田孝プロデューサーの対談が掲載されているように、しっかりコミュニケーションが取れているようです。

次に「ブルーモーメント」は、漫画の魅力に“チームドラマ”としての要素を大胆に加えました。ドラマのSDM(特別災害対策本部)は、主人公の晴原柑九朗(山下智久)と助手・雲田彩(出口夏希)に加えて、消防班チーフ・佐竹尚人(音尾琢真)、消防士長・園部優吾(水上恒司)、ドライバー兼料理人・丸山ひかる(仁村紗和)、情報班チーフ・山形広暉(岡部大)、医師・汐見早霧(夏帆)でチームが結成され、「プロ集団が自然災害から人々を救う」という物語に脚色されています。

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