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10両が主力の首都圏私鉄に「短い編成」が残る事情 「ホームの長さが足りない」以外にも理由はある

東洋経済オンライン / 2024年5月18日 6時30分

2024年3月改正のダイヤでは、混雑が集中する17時台から18時台の各駅停車で10両編成を運用するとともに、ピークから外れた16時台と19時台以降は、8両編成の各駅停車を新宿発として運行しているという。けっこう細かいことをやっているのだ。

乗り入れ先の都合もある

ホームや設備の面で8両編成が残るのが、西武鉄道の新宿線と池袋線だ。新宿線は下落合―都立家政間、下井草―上井草間でホームの長さが8両までしか対応していない。このため、基本的に各駅停車は8両編成で運転している。

一方、池袋線はかつてホームが8両分だった椎名町―桜台間も10両に対応するようになった。しかし、西武鉄道によると保谷近くの電留線(電車を一時的に留置する線路)で8両しか停車できないところがあるため、各駅停車に8両編成が残っているということだ。

以前はホーム長さの制約があったが、10両編成の運転が可能なように改良を図ったのが小田急電鉄だ。2019年3月に代々木八幡駅のホームを10両対応に切り替えたことで、新宿駅発着の各駅停車10両運転が可能になった。現在も各駅停車は8両編成が主体だが、ラッシュ時を中心に10両編成も増えている。

小田急は小田原線の新宿―開成間がすべて10両対応で、快速急行や新宿発着の急行、東京メトロ千代田線直通列車はすべて10両編成だ。ただ、江ノ島線の各駅停車や町田以遠には6両編成が存在する。

自社線の設備でなく「乗り入れ先の路線」が理由の例もある。例えば相模鉄道。相鉄線内用の車両は一部(10000系5編成)を除き10両編成で、JR直通列車も10両だ。だが、相鉄・東急新横浜線を経由して東急線方面への乗り入れ用に導入した車両は、東横線方面に直通する20000系が10両編成なのに対し、外観は同じでも目黒線方面に直通する21000系は8両編成である。これは目黒線や東京メトロ南北線、都営三田線が8両までしか対応していないためだ。

東武スカイツリーラインは10両・8両・7両・6両編成が走るが、東京メトロ日比谷線直通列車は7両編成、半蔵門線直通列車は10両編成だ。一方で、東武スカイツリーラインのターミナルである浅草駅のホームは8両編成が入れるのは1つだけで、ほかは6両までの対応だ。自社線内を走る区間急行や区間準急は6両編成または8両編成、普通列車は主に6両編成という形になっている。

東武の浅草駅は堂々たる建築であるものの、特急と近距離の普通列車が発着する比較的小規模なターミナルで、通勤輸送の主力である10両編成は半蔵門線に乗り入れて都心に直通する。長編成の列車が入れるかどうかはターミナルの性格も左右するといえる。

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