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TOEIC800点超の若手社員に足りない決定的要素 英語力があっても仕事ができるとは限らない

東洋経済オンライン / 2024年5月19日 10時30分

日本人だけでなく、過去の受講生には中国人や韓国人、タイ人、マレーシア人、スリランカ人、フランス人などもいましたが、彼らも同じような不安を口にするのです。英語を日常で使う人がいたにもかかわらず、です。

1つ言えることは、英語力とコミュニケーション力は違うし、ましてや英語力と仕事力はぜんぜん違うということ。英語ができるから、グローバルな環境で仕事の成果を出せるわけでもありません。

10年ほど前、日本マイクロソフト元社長の成毛眞さんが『日本人の9割に英語はいらない』という書籍を出しましたが、その帯にかなり刺激的な言葉が書かれていました。

「英語ができても、バカはバカ。」

この帯を見たときに「すごい言い方をするな」と思った一方で、確かにそれは間違いないとも思ったことがあります。

日本において、仕事ができる日本人もいれば、仕事ができない日本人もいますが、全員日本語はペラペラです。当たり前ですが、日本語が話せることと仕事で成果を出せることは、まったく違います。

経験がないゆえの不安

それではTOEICで高スコアを取っているのに、なぜ英語力に対して不安を持つのか? その理由の1つは、英語でコミュニケーションを取ったことがないという、経験ゆえの不安ということはあるでしょう。

経験していないことに不安を覚えるのは語学に限りません。転校するときは「新しい学校で友達できるかな?」と不安を覚えるし、行ったことのない国に行くときは「治安は大丈夫なのかな?」という不安があります。

実際に転校したら、みんな優しくて、たくさん友達ができたり、初めて訪れた国でも、渡航前に感じていた治安に対する不安はただの杞憂に終わったり、という経験あるいは近い経験は誰もが持っているのではないでしょうか。

「英語に対するハードルは完全に消えました!」

海外研修に参加した別の受講生の話ですが、5日間の研修の最後に「自分は英語ができないと思っていたけど、意外と通じるものですね! 英語に対するハードルは完全に消えました」という人がいました。

20代半ばだった彼はTOEICのスコアは400点ちょっとで、行く前は「英語は全然できません」と言っていたのですが、たった5日間の研修で「完全に消えた」と言うまでになるなんて……。

たった5日間で英語の語彙力や文法力が一気に上がったことはないでしょうし、そもそも私の研修は語学研修ではないので英語の勉強は一切しません。だとすれば「外国人と英語でコミュニケーションが取れた」という経験によるものでしょう。正直、「完全に」は言い過ぎな気もしますが、彼がそう思ったのは事実です。

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