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TOEIC800点超の若手社員に足りない決定的要素 英語力があっても仕事ができるとは限らない

東洋経済オンライン / 2024年5月19日 10時30分

そこからわかることは、「やったらできた」という経験からくる自信こそが大切ということです。それは裏を返せば、いかに実践経験が足りないかということでもあります。

勉強と経験、それぞれで賢くなった人の違い

今、「ストリート・スマート」が求められていると言われていますが、その対になる言葉が「アカデミック・スマート」です。これらの言葉を聞いたことがありますか?

アカデミック・スマートとは「勉強をして賢くなった人」、それに対してストリート・スマートは「実践で賢くなった人」という意味です。

ステレオタイプな説明をしてしまうと、アカデミック・スマートな人が、まだ経験したこともない困難な状況にぶち当たったとき「それはまだ学んでいないからできません」となるのに対し、実践で賢くなったストリート・スマートな人は、仮にやったことがない事態に出くわしても「以前、こんな感じでうまくいったから、今回はこうかな?」とまずやってみる。

それでうまくいかなかったら「だったら、こうしてみようか?」と試行錯誤を繰り返し、何とか成果を出すそうです。

がんばって英語を勉強し、TOEICで800点以上を取れたのに、「私、スコアだけは高いんですが、ぜんぜんしゃべれないんです」とか「英語でのコミュニケーションに不安がある」という人は、決してしゃべれないわけではなく、ただ単に実践経験がないだけと言ってもいいと思っています。

私のクライアント企業の元アメリカ駐在経験者の1人は「私、TOEIC500点台ですが、アメリカで普通に仕事してきたし、できましたよ」と話していました。

もちろん、英語をどの程度使う仕事なのか? どの程度の高い英語力が求められるのか? など、仕事によって異なることはわかっています。でも、その人はTOEICのスコアが高くないことを微塵も気にしていません。

高いスコアがあるのに英語に不安がある人もいれば、決して高いわけではないのに全く気にせず仕事ができてしまう人がいる。その違いは「やったらできた」という経験があるかないかです。

実践経験が足りないと言われても、日本において英語を使う場はなかなかないのも事実。私自身、日本にいる間はほとんど英語を使うことはありません。では、どうすればいいのか?

英語を使う必然をどう作るか

1つのヒントは、10年以上前から楽天が取り組んできた「英語公用語化」でしょう。話さざるをえない環境を作るのです。あのルールも当初は賛否両論あり、日本人同士の会議でも英語を使うのはナンセンスという意見も聞いたことがあります。

それでも「英語公用語化」で突き進んだ結果、どうなったか。先日も楽天本社に行ってきましたが、英語公用語化が常態化しているので「みんな、普通にしゃべっています」と言われました。

もちろん、どの会社でも導入できるわけではないでしょう。全社で英語を公用語化しなくても、日本語を話せないメンバーもいる部門横断的なプロジェクトをスタートさせ、将来のグローバル人材に担当させることで、必然的に英語をしゃべらざるをえない状況を作ることはできそうです。

あるいは、私が海外で実施しているような研修も現地の人たちとコミュニケーションを取らざるをえない状況下に置かれますから、そのような機会の作り方もありです。

大切なのは、どうしても英語を使わざるをえない環境をどう作るか? 英語を話す必然をどう作るか? そこにつきるのではないでしょうか。

豊田 圭一:株式会社スパイスアップ・ジャパン代表取締役

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