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子の自己肯定感育む「親の言葉かけ」誤解なき方法 石田勝紀×天野ひかり「子育て」対談ー前編ー

東洋経済オンライン / 2024年5月20日 16時30分

一方、自己肯定感は、自己有用感や自己効力感と混同されがちですよね。

天野:そうなんです。それらは「誰かの役に立っているから自分はすごい」とか、「何かがすごくできるから自分がすごい」という肯定で、つまり条件付き。

一方、自己肯定感は、弱い面も含めたありのままの自分を受け止める心の状態。それを育てられるのは、幼少期からの親の言葉かけなんです。

石田:丸ごと、ありのままの姿ですよね。

あとよくあるのが、自己肯定感が高いと、現状に満足してチャレンジしなくなるという誤解ですよね。自己肯定感があってこそ、次のステップに行けるのですが、この部分を誤解されている方がいらっしゃる。

天野:自分に満足しているわけではなくて、自分の苦手な部分も受け入れて、じゃあどうすればいいか考えることができるのが自己肯定感。

苦手なことは人に助けを求めたり、別の方法を考えて、自分の可能性を信じてチャレンジできる。周りの人と共に成長していける土台が自己肯定感なんです。

ですから、まずは親の声かけで、子どもの自己肯定感を育んでいただけたらと思います。

間違うことを嫌う子どもへの声かけ

石田:そんな声かけに関する質問もいただいています。「子どもが問題を間違えることを極端に嫌がる」というお悩みです。

「『間違えて残念だね。でも間違えたときこそチャンス。これが解けるようになったら、また一歩成長できるね』と前向きな言葉をかけても、癇癪を起こし『もうやだ!今日の勉強終わり』と投げ出してしまいます」

これはどのような声かけをしたらいいでしょうか?

天野:お母さんの言葉かけは本当に完璧で、教科書に載っているようなお手本ですね。お子さんも間違えるのが良くないことはわかっている。

こういった言葉が効かなくなってきているのは、お子さんの成長が次の段階に入ったので、親の言葉かけもバージョンアップしていくといいのかなと思います。

間違えたところに触れず、「できた問題」に注目するのがいいでしょう。「よくこの問題解けたね。去年できなかったのに1年間努力したんだね。すごいね」という言葉かけを心がけていただくといいですね。

自分のこととして考えるとよくわかります。

たとえば夕飯作りでがんばって5品作りました。でも宅配便が来たりあれこれあって、5品のうち、2品が失敗してしまいました。

そのとき家族に「あれ、このお味噌汁、ちょっと濃いね。でもママだったら大丈夫。明日には成長できるよ、また明日がんばろうね」と言われるとします。

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