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モノ言う株主・丸木氏「社外取締役は飾りじゃない」 「求められる役割」を経営陣は知っているのか

東洋経済オンライン / 2024年5月21日 17時0分

社外取締役はけっして「お飾り」や「名誉職」などではなく、期待される役割があります(写真:takeuchi masato/PIXTA)

新NISAが始まり、株価はバブル期の最高値を超え、投資への関心の裾野が広がっています。しかし、世界と比べたとき日本企業は多くの課題を抱えています。例えば、過剰な内部留保、研究開発や新規事業への消極姿勢、はたまた親方日の丸からの天下りなどのガバナンス問題などなど。

そんな内向きな経営者に向けて、「社長はおやめになったほうがいい」と直言し続けるのは、ストラテジックキャピタル代表の丸木強氏。国内アクティビスト(モノ言う株主)の代表格として、株式市場と企業経営の本質を喝破する言動が注目を集めています。

そんな同氏が自らの投資哲学を明かした初めての著書『「モノ言う株主」の株式市場原論』より、一部抜粋・編集してお届けします。

社外取締役の「属性」には注意を

一般的に社外取締役というと、いまだに「お飾り」とか「名誉職」のようなイメージが強いのかもしれません。だから人選も、案外適当に行われている印象を受ける会社もあります。

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しかし、社外取締役は大株主や常勤取締役から独立していること、そして一般株主と利益相反が生じないことが大前提。そこでまず確認すべきは、その方の属性でしょう。

「会社法」では、例えば親会社や子会社の役員、あるいは経営陣の親族などは社外取締役になれないことになっています。

ところが、関係会社の役員なら大丈夫。20%を持つ大株主企業の役員でも、社外取締役になれてしまうのです。これは大株主企業の意向を代弁することになり、属性としては偏っているはずです。

あるいは元役職員でも、10年以上が経過すれば独立性があると見なされて就任できます。しかし、なぜ10年なのか、10年で本当に独立したといえるのか、疑問が残ります。

また主要取引先の役職員はダメというルールはありますが、「主要」の範囲が明確ではありません。例えば親会社的に支配されているとか、最大の取引先などが該当するらしいのですが、それではまだまだ狭い。

社外取締役は独立性を重視すべき

独立性を重視するなら、例えば我々は、政策保有株主である企業の役職員・元役職員はダメだと考えています。

さらに細かいことをいえば、親会社の株を十数%も持つ投資ファンドの幹部社員が、上場子会社の社外取締役になっているケースがありました。東証のルール上、これは問題ありませんが、利益相反になる可能性があります。

もし親会社が子会社を100%買収しようとしたとき、親会社の株主としてはできるだけ安く買ってほしいし、子会社の株主としてはできるだけ高く売りたいわけです。

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