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お金持ちとは本当に"うらやましい人生"なのか 「FIRE」の流行から数年たって改めて考える

東洋経済オンライン / 2024年5月21日 11時0分

また、大金があるところには怪しい輩が必ず寄ってくる。宝くじで7億円当たっても、その後が幸せとは限らない。大谷翔平選手が事件に巻き込まれたのも、巨額のお金を持っていたからではないか。

お金持ちには、お金持ちにしかわからない苦労や災難がある。筆者は「お金持ち」ではなく、「応・金持ち」を目指すべきだと思う。自分に応じたお金という意味だ。

例えば、大きすぎる冷蔵庫に食材を詰め込んでも使い切れずに腐らせてしまうだろう。超高速も楽々出せるスポーツカーを買っても、テクニックがないと快適に乗りこなせない。それと同じように、人には「上手に使えるお金の器」があるように思うのだ。

今払おうとしている金額は、モノの価値に対して妥当か、高すぎるのか、それがわからないものは簡単に買うべきではない。それは現在の「器」を越えたものだからだ。

価値がピンとこないものにお金を払って手にしても、心から満足できるだろうか。自分の器に応じたお金の使い方をしながら、徐々にその大きさを広げていけばいい。

今の器を越えて、いきなりお金を欲しがると、投資詐欺の標的になりかねない。大金を持っていることより、自分は何にお金を使っているときが一番楽しく、心が満たされるのか、それをわかっているなら幸せの扉がはっきり見えてくるのではないだろうか。

節約家の幸せの見つけ方

そうは言っても、物価も高いし、円安は続くし、収入が増える気配もない。使えるお金がないなら、知恵を使って楽しむしかない。

食材高騰の折、毎日の食費は頭が痛いが、工夫のしがいがある。先日、300円台のおつまみを出す激安居酒屋に行ったのだが、どんなメニューなら安く作れるかのヒントになった。面白かったのは、お好みサラダ。お任せという意味かと思ったら、千切りキャベツに刻みタクアン・鰹節・紅ショウガを載せ、オタフクソースとマヨネーズで調理した、食べればお好み焼き味のするサラダだった。これなら簡単で安いし、大人も子供も喜んでくれそうだ。

ちなみに最近のマイブーム食材がしらたきで、1袋100円程度で買えるうえ、煮物はもちろん、炒め物に加えてもかさましになる。味付けが自由なので、チャプチェ風に甘辛くしても、ペペロンチーノ風でも、なんでもあう。ラーメンの麺が足りないときに、スープに加えてもいい。そういう実験をしながら節約レシピを考えるのは楽しいものだ。

GWで旅行に行っても、その地域のドラッグストアを覗くのは欠かせない。聞いたこともないプライベートブランドが見つかることも多い。安いと評判のスーパーがないかを事前に調べて、東京では買えないような価格の食品を土産用バッグに詰めて持ち帰ることもしばしばだ。むろん保冷バッグも持参する。ほとんど買い出し旅だ。安い食材や店との遭遇が楽しく、わくわくする。お金持ちにはお金持ちの幸せがあるだろうが、ないなりの楽しみ方を見つけることは誰にでもできるはずだ。

お金にしろ所有物にしろ、持っているものが減っていくのはつらいだけだが、持てるものがだんだん増えていく人生には夢がある。急がずに、少しずつ器を増やそうではないか。

松崎 のり子:消費経済ジャーナリスト

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