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日本企業が恐れる「もしトラ」政策の最悪シナリオ 関税・補助金の政策転換でどんな影響が出る?

東洋経済オンライン / 2024年5月21日 7時50分

日本企業が恐れる「もしトラ」政策の最悪シナリオ

現在の株式市場は「半導体銘柄」が引っ張っているといっても過言ではない。気になる市場全体の先行きについてや、とくに注目度の高いアメリカ企業・NVIDIA(エヌビディア)とそれに関連する日本企業について、Q&A形式で解説する。

2024年秋に迫る「第60回 アメリカ大統領選挙」。民主党はバイデン大統領、共和党はトランプ前大統領でそれぞれの候補者が固まる中、「もしトラ」(もしトランプ氏がアメリカの大統領に返り咲いたら)の現実味も増してきた。トランプ再選の可能性や影響について、Q&A形式で解説する。

※記事の内容は記者による解説動画「Q Five」から一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。

Q:トランプ再選の確率は高まっている?

その確率は高まっています。背景には、白人労働者のトランプ支持基盤が依然として厚いのに加えて、2023年9月以降、トランプ氏に対して起こされている4つの刑事裁判も関係しています。

【動画で見る】「4つの裁判」の注目点は?バイデンはなぜ不人気?「もしトラ」の疑問を総ざらい

裁判をめぐって、トランプ支持者たちが「これは結集せねばならない」という声を上げ、より支持の輪が広がっている部分があります。そういった結集効果に対して、バイデン氏は劣勢にあるという状況です。

ただし、11月の投開票まではまだ半年あります。前回、トランプ氏が大統領に就任した2016年の大統領選挙の時、終盤まで一貫してリードしていたのは(敵対する)ヒラリー氏でした。

今回のトランプ氏も、今のままリードを保ち続けられるとは限りません。この半年でどんな変化があるか、まだわからない状況です。

Q:「もしトラ」でアメリカの政策はどう変化?

「もしトラ」となれば、アメリカの保護主義的な関税政策が復活することが予想されます。トランプ氏は自身を「タリフマン」と称するように、関税強化に向けてかなり強い思い入れを持っています。

2023年の夏以降は、すべての輸入品に対して一律10%、中国に対しては60%超の関税を課すという政策案も報じられています。これが現実のものとなれば、アメリカではさらなるインフレが懸念されます。

もう一つは地政学リスクの増大です。ウクライナとロシアの戦争をめぐっては、ウクライナへの支援を停止すると言明していますし、イスラエルに対しては擁護の姿勢を示しています。そういった中で、国際情勢が不安定化するおそれがあります。

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