新NISA「成長投資枠」の銘柄選びに必要な視点3つ 自分なりの「勝てる再現性」を見つけるために
東洋経済オンライン / 2024年5月22日 14時0分
ちなみに、現在の株価を1株あたり利益(「EPS」とも呼ばれます)で割ったものが、「PER」(株価収益率)です。PERを見れば、現在の株価が割安か、割高かを判断することができます。
また、メルカリ(4385)やSansan(4443)のように、営業利益は赤字かわずかに黒字なのに、売上高が急速に伸びている会社もあります。
こうした会社は、売上高の多くを人件費、開発費、宣伝費などに回して、より早く市場のパイを独占しようとしている会社です。
私が保有している日本株のうち、こうしたいわゆるグロース株は2割ほどですが、新NISAで長期保有することを考えるなら、低価にあるグロース株の一部をポートフォリオに加えるのも悪くない戦略でしょう。
ただし、あくまで主力は「営業利益が過去5年伸びているプライムかスタンダード市場の銘柄」を選ぶことをおすすめしておきます。
ポイント② 持続性……いつまで続くのか?
長期で保有することを前提にする新NISAでは、「持続的な成長」が重要なポイントになります。
今期、営業利益を大きく伸ばした会社があるとします。ニュースなどで話題になり、つい手を伸ばしたくなりますが、その業績が将来にわたって続かなければ株価成長は望めません。
「持続性の見通せない」銘柄は避ける
たとえば、新型コロナが流行していたころ、スギホールディングス(7649)などドラッグストアの営業利益が軒並み上がりました。それとともに、株価も大きく上昇しました。
しかし、その利益の源泉は、マスクと消毒用アルコールと風邪薬です。コロナが収束するとともに、営業利益は落ち着きました。同時に株価も下落傾向にあります。
太陽光発電も一時、営業利益を伸ばしました。しかし、いつまで国からの補助金が出るかわかりません。出なくなったとたん、赤字に転落してしまう可能性があります。
SEOコンサルティングの会社も、収益のほとんどをグーグルのプラットフォームに依存しています。グーグルがルールを変えたら、とたんに収益が出なくなる可能性があります。一時、注目を集めたフルスピードが、2022年上場廃止になったのを覚えている方もいるでしょう。
また、JT(2914)は配当利回りが高く、最近では株価も上昇していることから新NISAでよく買われていますが、私は持続性の観点から、候補銘柄には入れていません。
最近では、医薬品や食品などにも力を入れているJTですが、売り上げのほとんどを占めているのは、国内外におけるたばこ事業です。
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